HSU未来産業学部 アソシエイト・プロフェッサー

木村 貴好

(きむら・たかよし)1971年、埼玉県生まれ。筑波大学第二学群生物学類卒。同大学院修士課程(環境科学)修了、同農学研究科博士課程単位取得後退学。博士(農学)。応用昆虫学分野の研究を行う。農業生産法人、茨城県農業総合センター生物工学研究所を経て、2008年、幸福の科学に奉職。現在、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティの未来産業学部アソシエイト・プロフェッサー。「自然と環境」「基礎生物B」などの授業を担当。著書に『スピリチュアル自然学概論』。

◎ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)未来産業学部のホームページ

http://future-industry.happy-science.university/

スピリチュアル自然学概論

スピリチュアル自然学概論

木村貴好著

HSU出版会

前回は、「心を磨き、高めることで、自然の中にも精神があることが分かる」と、述べました。

例えば、私たちが詩や絵画を鑑賞するときも、五十音の文字の並びを見ているわけでも、絵の具の材質を見ているわけでもありません。時代を超えて存在する「美そのもの」に触れているのだと思います。鑑賞する力がつくことで、時間から切り出された「イデア」が見えてくることになります。それは、つくり手の心に触れることでもあるでしょう。

同じように、心の段階を高め、生かされている感覚が強くなると、細胞や生物個体、生態系のしくみの中に、単なる物質を超えた"つくられた意図"のようなものを感じるようになります。

その心の段階を高める方法は、宗教的悟りの高め方や修行方法と同じであり、「悟性の磨き方」ということにもなると思います。

ここで心に留めていただきたいことは、前回も触れましたが、昔の時代のほうが、そうした修行の方法、悟性の磨き方は進んでいたということです。それを実践し、幸福を享受できた人は、当時の日本人でも一握りだったでしょうが、現代の学問よりはるかに進んでいた分野があったのです。

それは、日本や東洋で長らく学ばれ、蓄積されてきた伝統的な方法であり、日本の誇りとしてよいことです。科学文明の成果に驕っている私たちは、それを謙虚に受け止める必要があります。