釈量子の志士奮迅 [第78回] - 日本の農業に「経営力」を

釈量子の志士奮迅 [第78回] - 日本の農業に「経営力」を

 

2019年4月号記事

 

幸福実現党 党首

釈量子の志士奮迅

第78回

 

幸福実現党党首

 

釈量子

(しゃく・りょうこ)1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から幸福実現党党首。

釈量子のブログはこちらでご覧になれます。

https://shaku-ryoko.net/

 

 

 

日本の農業に「経営力」を

 

 ウクライナの肥沃な土壌が、1立法メートルあたり1~2万円で"闇取引"されているという話があります。10トントラックがやってきて、よその農地に運び去っていくとか。

 世界でも、満足に農業ができる土壌はそう多くありません。凍った土、砂漠土、化学汚染された土―。頭を抱えた各国がこぞって、海外の土壌を囲い込もうとしており、「ゴールド・ラッシュ」ならぬ「ランド・ラッシュ」と呼ばれています。

 そんな中、圧倒的な肥沃さを誇るのが、日本の土壌です。

 農学博士・横山和成氏の研究によると、土壌の豊かさは、主に「微生物の多様性や活性度」で測られるといいます。その指標で見ると、日本の土壌は西欧の3倍ほど豊かなのだとか。都市の空き地でさえ、放っておくと雑草が生えてくるのは、実は世界でも珍しいのです。

 中国による日本の農地の「爆買い」が問題になっていますが、わが国の土壌は、世界が喉から手が出るほど欲しいレベルの肥沃さなのです。

 

 

「宝の持ち腐れ」のわけ

 そんな潜在的な力に目を向けるにつけ、「日本の農業が衰退し、地方が衰退している」という状況には、もどかしさを通り越して、戦慄さえ感じます。

 日本の農作物は、品質においても世界を驚かせるレベルであることは有名です。糖度の高い完熟トマト、瑞々しい白桃やイチゴ。近年、アジアの富裕層に注目されているという報道を目にしますが、まだ日本の農業が潜在力を高収入に変えられていないのは否めません。

 こうした「一等の環境」「一流の技術」が日の目を見ない要因になっていると言われているのが、「三流の経営」です。

 まだまだ自分たちの農作物の魅力を、他県や他国にPRできていない。市場のニーズに合わせた商品開発ができない。

 また、農地が無数の農家によって細分化され、生産効率が悪い。こうした状況が、「宝の持ち腐れ」を生んでいるのです。

 日本の農業の「経営力」を弱めてきたのは、あまりにも保護主義的な農業制度でした。

 農家はニーズに合わせた農作物などつくらなくても、農協が一括して買ってくれます。多くの農協は互いに競争せず、それらを特に加工して付加価値をつけなくとも、「言い値」で売って生きていけます。

 農家の収入が減れば補助金がバラまかれ、「イノベーションを起こそう」という気風も生まれません。まるで、「寝たきり老人」のように"大事"に扱われ、逆に足腰が弱ってしまったのです。

 

 

若者が集まる!?

 そんな中、「経営力」を発揮して、農業でどんどん稼ぐ人たちも生まれています。

 北海道の十勝平野は、外車の保有率が日本で最も高い地域です。中でも羽振りがいいのは更別村。一台数千万円もするドイツ製の車が走り回っているとか。

 その理由は「農業の大規模化」です。担い手がいなくなった近隣の農地をどんどん買い続け、北海道の平均世帯に比べて二倍の農地を保有しています。そこで効率的に高級食材の「ゆり根」などを生産しているのです。

 やり方によっては、都会でサラリーマンをするよりはるかに稼げる農業。そこに魅力や将来性を感じ、若者も参入しはじめています。「49歳以下の新規就農者」が近年、3年連続で2万人を超えたことが話題になりました。企業家精神旺盛な若者が、ブランド化などに成功している例も増え始めています。

 生産農業所得はこの10年間に25%も増えました。出荷額で見ても、製造業が10%も下落したのに対して、農業は12%伸びているのです。今、第一次産業は成長産業になりつつあります。

 

十勝開拓の礎を築いたのは、明治時代に活躍した依田勉三。「開墾のはじめは豚とひとつ鍋(豚と同じような食事を覚悟するものだ)」と詠んだことで知られており、地方再生における開拓者精神・自立心の重要さを今に伝える。

 

 

農業の"経営改革"を

太陽の昇る国

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日本という国のあり方

釈量子著

幸福実現党刊

命を懸ける

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幸福を実現する政治

釈量子著

幸福実現党刊

 日本はこうした流れを加速させるため、農業の「経営力」を高める施策を打つべきです。

 例えば、株式会社が農業に参入しやすいように、農地取得の規制を緩和すべきです。また、農地の集約・大規模化を促すため、耕作されていない農地を手放しやすくする税制設計も必要です。さらには、ドローンや人工知能(AI)を活用した「スマート農業」や、食品加工や流通販売にも業務展開をする「6次産業」を普及させるべく、支援・啓蒙をしていくべきです。

 農協改革も、引き続き取り組んでいく必要があります。

 第一次産業が盛り上がれば、地方は人口も増え、若者もやって来ます。幸福実現党はこれからも、企業家精神で地方を再生させる提言をしてまいります。

 

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タグ: 2019年4月号記事  幸福実現党  釈量子  農協改革  十勝開拓  ウクライナ  農家  農協  農地  企業家精神  ブランド化  

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