2019年4月号記事

Book

著者Interview

左翼思想が人を不幸にさせるワケ

3月上旬に『左翼老人』を上梓する著者に、日本に根強くある左翼思想について聞いた。

教育評論家

森口 朗

(もりぐち・あきら)教育評論家。HSUアソシエイト・プロフェッサー。中央大学法学部卒。佛教大学修士課程(通信)教育学研究科修了。95年~05年まで都内公立学校に勤務。著書に『自治労の正体』『授業の復権』『戦後教育で失われたもの』『教師は生まれ変わる』『誰が「道徳」を殺すのか』など。ブログ「習慣新書」連載中。

──はじめに、著書のタイトルにもある「左翼」の意味について教えてください。

森口(以下、森): 定義は定まっていませんが、歴史的にはフランスで、国王制度を維持しようとした勢力が議会の右側に座ったのを「右翼」、逆になくそうとして左側に座ったのを「左翼」とするのが起源とされています。その後、穏健な言動を行う勢力を「右派」「左派」、極端なものを「右翼」「左翼」と区別するようになりました。

本書では、「主権国家を基本とする世界」「間接民主制と三権分立を基本とする国内政治」「資本主義を基本とする経済」の3つを根本的に変えようとする勢力を右翼・左翼としています。ファシズムやナチズムは右翼であり、共産主義は左翼です。

これに対し、3つのシステムを変えずに自由を重視する勢力を右派、平等を重視するものを左派としています。