2018年12月号記事

Interview

地域を発展させる「秘策」

山形

全国で活動する幸福実現党の代表者に、地域発展の提言・取り組みについて聞いた。


米沢の良さを再発見して
めざせ「10万人市民」復活!

幸福実現党 山形県本部
米沢市地区代表

縮 美紀子

(ちぢみ みきこ) 1962年、小国町生まれ。米沢市で育つ。山形県立米沢商業高校卒業後、大手電機メーカー米沢事業所に20年間勤務ののち、飲食店などを経験。趣味は映画観賞。家族は夫と息子2人、娘1人、義母。

小学校入学と同時に米沢市に引っ越して50年。育んでくださったこの地で私も子育てをして、たくさんの方にお世話になりました。

子育て中は近所の方に、おんぶの仕方を教わったり、「息子さんを隣町で見かけたよ」と知らせていただいたり、時には叱っていただいたり。保護者同士の交流の機会も多く、地域のぬくもりやありがたさを実感しました。しかし今は子連れのお母さんを見かけることが少なく、少子化の影響で集団登校も難しいと聞きます。

地域の絆を取り戻し、子供を産み育てやすい環境を取り戻したい。まずは地域で行われている催しに、子供を連れて気軽に参加できる雰囲気をつくり、あらゆる世代の交流を深めることで、地域全体での子育て復活のきっかけにしたいと考えています。

高齢者支援で「生涯現役」モデルづくり

米沢には、本当に元気な高齢者の方がたくさんいます。年配の方の、長年の経験で培った知識と、新しい考え方ができる若者が力を合わせる環境があれば、米沢の新しい地場産業や企業の発展に貢献できると思います。定年の廃止や高齢者の再就職支援などを呼びかけて、年配の方が元気に働ける環境をつくっていきたいです。

また、まだまだ元気なのに、年金受給の関係で働くことを控えた結果、体が弱ってしまうなどの声も聞きます。年金の構造自体の見直しも必要だと感じますが、まずはボランティア活動などに参加しやすい仕組みの整備を行いたいと考えています。

魅力を再発見し、感謝からの発展を

私は小国町の山奥で生まれ、家も裕福ではありませんでした。でも、自分のことよりも他人を優先し、世のため人のためにと働く両親や祖父母の姿を見て育ったことは、限りなく尊い財産です。私も米沢の皆様の困りごとや悩みなどに耳を傾け、解決のためにどうするかを一緒に考えていきたいです。

米沢は、長い歴史があり食べ物もおいしく、魅力のある土地ですが、住んでいるとその良さをつい忘れてしまいます。市民の皆さんと一緒に、「米沢の良さ」を再発見して、もう一度、米沢への感謝や愛を取り戻したい。そうすれば米沢はもっと発展し、人口減少を食い止め、「10万人市民」の復活も実現できると信じています。


一人ひとりが主役!
活気と笑顔あふれる新庄市に

幸福実現党 山形県本部
新庄市地区代表

山科 春美

(やましな はるみ) 1966年、新庄市生まれ。山形県立新庄南高校卒業後、バスガイドとして就職。結婚後は実家の農業(エノキダケ栽培)、調剤薬局や銀行勤務などを経験。趣味は読書、ドライブ。家族は夫と息子2人、両親。

新庄市で生まれ育ち、結婚後もずっとこの地で暮らしています。大好きな故郷をもっと素晴らしい街にするために、行政頼みではなく、一人ひとりが自分たちでできることを考え、実践していける新庄をつくりたいと考えています。

家族でもっと助け合える新庄に

新庄の未来に欠かせないのが、女性の活躍です。山形県は三世代同居、そして共働き率が全国1位。新庄市にも共働きで仕事や家事、子育てや介護もこなす、「スーパーウーマン」がたくさんいます。

今もおじいちゃんやおばあちゃんが孫やひ孫の面倒を見たり、家事を分担したりと、助け合って暮らしているご家庭が多いと思います。そのような日本の伝統的な家族の形を大切に、働き世代が安心して子供を産み、仕事にも邁進できるよう、家族の絆をもう一段深め合えるサポートをしたいと考えています。皆でワイワイと暮らす幸福な家庭がさらに増えれば、出生率が上がり、後継者問題の解決や医療費・介護費の削減、老後の心配をなくすことにつながります。

そして、新庄の発展のためには、地域の絆も大切です。子供たちが新庄を愛し、誇りを持てるよう、学校で地域の偉人教育や歴史教育を行うよう働きかけ、郷土愛を育んでいきたいと思います。

「人は宝」。今こそ力を合わせよう

私はかつてバスガイドを務めた経験から、名物やおいしいものを求めて、遠くからでも人が集まることをよく知っています。東北中央自動車道が、数年後には市内にも伸び、全線開通予定です。開通後には、多くの方が新庄で足を止めてくださるように、市民の皆様が作った特産物や自慢の野菜、フルーツなどを集めた直売所やレストラン、カフェなどの憩いの場をつくりたいと考えています。「新庄には観光名所がない」というお声をよく聞きますが、誇れるものはたくさんあります。行政にばかり頼らず、自分たちでアイデアを出し合い、実践することで、新しい観光名所を創造できるはずです。

「人は宝」です。「人」を増やし、「人」を創り、「人」をつなげられる取り組みを通じて、市民の皆様一人ひとりが主役となって、より輝いていただきたいです。力を合わせて、活気と笑顔あふれる新庄を創ってまいりましょう!


寄稿

地域を発展させる「秘策」

山形を中心に政治活動を行う城取良太氏が、日本を発展させる移民政策について述べた。

移民の受け入れで山形の強みを生かす

幸福実現党 山形県本部
副代表 兼 統括支部長

城取 良太

プロフィール

(しろとり りょうた)1977年東京都生まれ、酒田市在住。成蹊大学経済学部卒業後、人材コンサルティング業界を経て、幸福の科学に奉職。HS政経塾1期生。趣味は映画鑑賞、サッカー。

諸外国の移民事情に関する現地ルポを、 リバティWeb に寄稿します。

妻の実家がある山形に移り住んで5年以上が経ちます。大きな魅力と将来性を感じる山形ですが、問題も抱えています。それが、人口減少です。

今年度の総務省調査によれば、秋田、青森、山形の日本海側の東北3県で人口減少率全国ワースト3を独占しています。

海外の若者の力を生かす

人口減少の大きな要因は、若年人口の流出です。

それを食い止め、今の山形を未来につなぐためには何が必要でしょうか。まず、若者にとって魅力的な産業形成や雇用創出に取り組むことです。その上で、多くの若い力を呼び寄せる努力が求められます。日本国内はどこも人手不足ですから、活路を海外に求めるべきです。

現在、山形県では777の事業所で3221人の外国人労働者が就業しています。外国人労働者は年々増加傾向にありますが、県人口の約0.6%に留まり、全国平均1.9%を大幅に下回っています。保守的な土地柄のため、「犯罪が増える」「雇用を奪われる」といった杓子定規な外国人への見方が根強いことも一因と見られます。

しかし、実際に外国人と接している人の話を聞けば、印象はまったく変わります。県内で製造業を営み、15年以上前からベトナム人の技能実習生を受け入れている知人の経営者(41歳・男性)は、次のように話します。

「人柄が穏やかで素直です。人の和を大切にする人が多いから、日本人のコミュニティにも溶け込みやすい。日本人従業員にもプラスの影響を与えてくれています」

しかし、ようやく言葉を覚え、本格的に仕事を任せられると思った矢先、帰国を余儀なくされます。「このまま日本で働きたい」と願う外国人も少なくないにもかかわらず、技能実習では3年間(現在は最長5年)しか日本に在留できません。

移民受け入れの国家戦略を

Fast&Slow/PIXTA(ピクスタ)

「技能実習」は本来、国際貢献を目的とした制度ですが、実際には、日本の労働力不足を補ってきました。

日本全体では、外国人労働者が約128万人いますが、そのうち約18%が「技能実習生」で、約23%が留学生などの「資格外活動」(1週間当たり28時間を上限に働ける)です。

実際、コンビニ業界は外国人留学生なくして成り立たなくなっており、政府は受け入れ拡大を進めています。労働以外の目的で来日した人に、労働不足を賄ってもらっているのが実情なのです。「1年以上その国に居住する外国人」という国連の「移民」の定義によれば、すでに日本は移民国家といえます。

しかし政府は、技能実習期間の延長や留学生受け入れなどで、事実上の移民政策をカモフラージュし続けてきました。

このご都合主義が、研修の名目で外国人労働者を酷使する悪徳業者や、実習生や留学生の資格で来日し、計画的に失踪する外国人の増加など、さまざまな混乱を生み出してきたのです。

これ以上、中途半端な移民政策を続けるなら、外国人労働者の排斥運動が起こりかねません。人口減少に悩む日本にとって、若い力の確保は喫緊の課題です。日本語教育の体制づくりや、外国人労働者の受入れ施策に関する法整備により、外国人を「日本の未来を担う人財」として扱うべきです。

日本の強みを世界に発信

すでに各自治体では、外国人の受け入れ施策を進めています。

製造業をけん引する愛知県では「海外からの人材獲得」を、福岡県北九州市では「多様性が力となる多文化共生の推進」を掲げ、アジア圏広域からの外国人移住に積極的です。

山形県としては、果樹やコメなど、高品質の食材が豊富に獲れるという強みが生きる形で、外国人労働者受け入れ施策を進めるべきだと考えます。

世界では、日本人の想像以上に和食が普及していますし、ハラールやビーガン、グルテンフリーなど、宗教や文化に根ざした食制限のマーケットも広大です。さまざまな国から来た若者の、食に関する知識や経験を、世界の市場で勝負できる商品開発に生かしていくのです。

「世界有数の一大食料産業クラスターを山形に創る」というビジョンを掲げ、外国人人財を各自治体で競って集められれば、大きなイノベーションが起こせます。

私たちの意識を変えることで、外国人労働者は、日本各地に眠る、食料や文化遺産などの未開発の商材を掘り起こしてくれる「宝物」になりうるはずです。