2018年度から小学校において、今まで教科外とされてきた「道徳」が初めて正式な教科になります。今回の教科化は、2011年に滋賀県大津市で起きたいじめ自殺などがきっかけとされています。

従来の道徳の授業では、各学校が自由に副読本を選んでいましたが、今年度からは、国の検定に合格した教科書で統一されることになります。

さらに注目されているのは、副読本を読む授業から、「考え、議論する」授業に転換するという点です。「受け身の姿勢では、授業が形骸化してしまう」という指摘を受けてのものです。

しかし、それだけでは「形骸化」の問題は解決しないという疑問の声もあります。例えば、「教科書の消化に追われるだけでは、教科化の意味がない」(3月29日付読売新聞社説)、といった意見が出ています。

教科書の統一性や授業スタイルのみならず、「教えられる内容自体がどれだけ子供たちの心に響くのか」を突きつめる必要があるでしょう。