身内の離反と国際社会の制裁により、カダフィ大佐が追いつめられている。

リビアでの反体制派弾圧により、これまで推定1000人以上が殺され、少なくとも3万7千人の難民が隣国に流れている。大佐は26日にも首都トリポリで支持者を前に演説し、反体制派の徹底弾圧を呼びかけた。しかし反体制派は東部を制圧して首都を包囲し、国軍の大半も離反しているという。24日にはいとこで側近だったアフマド・カザフダン氏も離反し、政権は大きな痛手を負った。

25日、米オバマ大統領はリビアの人権侵害を強く非難し、同政権関連の米国内資産を凍結。米政府は今後も制裁を進め、軍事力行使を含むあらゆる選択肢を排除しないとしている。同日、国連安保理でも武器禁輸や国際刑事裁判所への訴追を含む制裁決議案が協議され、26日にも決議案が採択される見通し。国連人権理も弾圧を「徹底的かつ組織的な人権侵害」とする非難決議を全会一致で採択し、EU加盟27カ国も独自制裁で大幅合意した。

国民にも国際社会にも支持されないカダフィ政権には、既に正当性がないと言える。現在、政権を支えるのは8人の子供を中心とした親族と、大佐の出身部族中心の親衛隊。彼らが引導を渡した時、政権が終わる可能性が高い。大佐はこれ以上、無駄な殺戮を繰り返さず、引き際を心得るべきではないだろうか。(由)

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