2018年3月号記事

世界の民主活動家たち Interview

台湾は、中国とは違う「一つの国家」

日本にとって安全保障上重要な場所に位置するのが台湾だ。昨年11月に蔡英文総統から任命された民主化と人権活動担当の大使に、日台関係や日本に期待する役割について聞いた。

(編集部 長華子)

民主化及び人権活動担当大使
元台湾民主基金副執行長

楊黄美幸

(ヤン・メイシン〈Yang Maysing〉)1944年、東京生まれ。3歳の時に台湾に帰国。米ニューヨーク州のフォーダム大学で社会学の修士号を取得。米国滞在中20年間を台湾の民主化運動に捧げる。帰国後、民進党員となり民進党外交部の局長となる。2003年アジア初の民主基金を設立後、副執行長に就任。

─国内外の民主化を支援する「台湾民主基金」の活動について教えてください。

楊黄氏(以下、楊) : 台湾民主基金は、アメリカからアドバイスを受けて2003年に設立しました。ミッションは主に3つです。

1つ目は国民の啓蒙や女性の支援などで、台湾国内の民主化を進める。

2つ目は、国外の民主化運動の支援です。 国民党政権下では、中国の民主化の支援を水面下で行っていましたが、民進党政権に代わって、堂々と支援できるようになりました。 中国以外にも、東南アジアの国々の若者を台湾に呼んで、研修を行い、民主主義や人権の意味を伝える活動をしています。

次ページからのポイント

台湾が日本に期待すること

トランプ政権をどう見るか