幸福の科学の二大祭典の一つである「エル・カンターレ祭」が7日、千葉・幕張メッセで開催された。大川隆法・幸福の科学総裁は「愛を広げる」と題した法話を行い、その中で、トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都として認めたことについても言及した。

アメリカによる首都認定で焦点が当たっている聖地エルサレムとは、そもそもどんな土地なのか。

エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であり、ユダヤ教国家のイスラエルとイスラム教国家のパレスチナがその帰属を争ってきた。イスラエルは以前からエルサレムが自国の首都だと主張していたが、国際社会からは受け入れられず、各国の大使館や領事館が置かれているテルアビブが事実上の首都となっていた。

このような背景から、トランプ氏がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことで、ユダヤ教とイスラム教の対立を激化させると批判の声があがっている。実際、パレスチナやイスラム教諸国は今回の決定に猛反発し、各地で抗議デモが行われている。自分たちが大切にしている「聖地」が、他の宗教国家の首都となってしまうことへの反感は大きい。

しかし、「神の目」から見ると、状況は違って見える。大川総裁はエル・カンターレ祭の法話で、この問題について次のように指摘した。

私の答えを言えば、小さなことだと思っています。ユダヤの人たちが、エルサレムを首都としたい。別に構いません。天上界の高級霊たち、神と呼ばれた歴史上の人たちは、そんなに心が狭くないんです。そんなことで、この世が混乱に陥ることなんか、望んでいないんです。この地上に、聖地とか、そういうものはあるかもしれませんが、それはあくまでも、あの世にあるところの神仏につながっていくための縁にしかすぎないんですよ。そうした手段と目的とを、間違えてはいけないのではないでしょうか

つまり、エルサレムがどの国に帰属するかは、神の目から見れば本質的な問題ではないということだ。むしろ、本来、人々を信仰へ誘うための聖地が対立を招いているということを神々は悲しんでおられる。

このほど発刊された、幸福の科学法シリーズ24作目となる大川総裁の著書『信仰の法』でも、さまざまな世界宗教を指導してきた神は同じ存在であることが明らかにされた。大川総裁は同書の中で、同じ神が指導したにもかかわらず、ユダヤ教やキリスト教、イスラム教などが争っているのは、人間の認識の低さに原因があると指摘している。人類を導いてきた「地球神」の存在を知ることが、対立を解くカギとなる。

違いを乗り越える「愛の力」

信仰の法

信仰の法

大川隆法著

幸福の科学出版

『信仰の法』では、こうした宗教対立を乗り越える「愛の力」についても説かれている。

愛というと、身近にある男女の愛や家族の愛を連想しがちだ。また、人はともすれば、そうした人間関係において「愛される」ことばかりを求めてしまう。

しかし、大川総裁は同書の中で、「与えることこそ愛の本質である」としている。さらに、組織を発展させるための「生かす愛」や、憎しみを乗り越える「許す愛」など、「愛の段階」にも言及。「愛の認識」を深めることで、個人として幸福な人生を送ることができるだけでなく、国籍や人種、宗教の違いを乗り越え、世界の諸問題を解決していくこともできる。

人から愛を奪おうとする立場から、人に与える立場へと変わり、愛の力でさまざまな対立を乗り越えていく――。世界中で人口が増え続け、社会が多様化している現代にこそ必要な教えといえるだろう。

他にも本書では、以下の論点について言及されている。

  • 個人や組織における人間関係の調和の方法。
  • 自助努力と他力の関係について。
  • 社会主義的な全体主義国家と、自由で民主主義的な国家との戦い。
  • 世界正義を実現するための日本の役割。
  • 「政教分離」の問題点とは。
  • 「政教一致」のイスラム教国家が抱える問題。
  • 地球神の存在について。

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