マルクスの社会主義思想に基づいて起きた1917年の「ロシア革命」から、11月7日で100年が経ちました。この革命は史上初の共産主義国家であり、後に崩壊したソビエト連邦の誕生につながったものです。

マルクスの共産党宣言の中には、現在、安倍政権が進める「教育無償化」がありました。日本は共産主義国家ではないですが、大規模な粛清や貧困を招いたマルクスの思想は、現在の日本の福祉政策の中にも潜んでいるのです。

そこで本欄では、10月にアメリカで行われたディベートを参考にしながら、福祉政策について見直してみたいと思います。

アメリカの自由な起業家精神がアメリカを繁栄させた

このディベートはCNN主催で行われたもので、元大統領候補で自らを「民主社会主義者」だとする民主党上院議員のバーニー・サンダース氏と、同じく元大統領候補で社会主義国であるキューバ出身の共和党上院議員、テッド・クルーズ氏が、納税者からの質問を受ける形で論を戦わせました。

中でも、世界一税金の高いデンマーク出身の納税者(国籍はデンマークだがアメリカに納税している人)がサンダース議員に説明を求めたときの論点は、たいへん興味深いものでした。