《本記事のポイント》

  • 希望の党の公認基準に「安全保障関連法」の容認がある。
  • 安保法案に反対した民進党出身者が、早速「変節」している。
  • そもそも、希望の党の細野氏も若狭氏も安保法案に反対していたが……。

週明けが"楽しみ"だ。

冒頭に掲載したのは、2015年の安全保障関連法案の採決の際に、本会議で退席・欠席し、事実上の「反対」を表明した民進党議員のリストである。

「希望の党」は週明けにも、民進党出身議員の1次公認を明らかにする見通しだが、公認された人物の中で、上記のリストに名前のある人物は、議員の椅子にかじりつくために信条を売った人々ということになる。誰が「転向者」となるかは、来週、読者がその目で確かめてほしい。

公認の基準について、希望の党の細野豪志・元環境相は、「個人的には、最大限の人に入っていただきたいが、現実的な安全保障と憲法改正に賛同していただけるかどうかが、大きな判断基準になる。最終的な判断は小池代表が行う」と述べ、安全保障の考え方の一致を求めている。

そんな動きに合わせるかのように、早速、安保法案に反対していた民進党出身議員から「変節者」が出ている。

プラカードで安保法案に反対した柚木氏が容認を否定せず

例えば、岡山4区から出馬予定の柚木道義氏。柚木氏は、安保法案の採決時に、「強行採決反対」と書いたプラカードを掲げて反対した。

ところが、9月29日に放送されたテレビ朝日系列「報道ステーション」の取材に対し、柚木氏は「実は、弟は現役の自衛官なんですね。ですから自衛力は強化すべき。そして日米同盟は重要、深化すべきという立場なんです」と国防強化をアピール。同番組のスタッフから採決の映像を見せられると、「その当時のことと、これからのことは、また違ったフェーズがあると思いますので」と述べ、安保法制を容認する可能性を否定しなかった。

細野氏も若狭氏も「変節」している

また、そもそも、民進党議員を仕分けている希望の党の細野氏も、当時の安保法案の採決を退席し、自民党だった若狭勝氏も欠席していた。その張本人が、安全保障関連法を踏み絵にして公認を選定すること自体、おかしな話だ。希望の党の中心人物が変節している時点で、同党の安全保障政策に期待することはできない。

保守層の有権者の中には、「小池百合子氏が保守的な考えだから大丈夫」と支持する人もいるだろうが、多数の民進党出身者が党内を占めれば、小池氏自身も変節する可能性がある。

実際、民進党出身者からは、「名を捨てて実を取る」という言葉が飛び交っている。小池新党への期待は禁物だ。

(山本慧)

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