ダボス会議で習近平氏が初講演 矛盾だらけの「自由貿易」「グローバル化」

ダボス会議で習近平氏が初講演 矛盾だらけの「自由貿易」「グローバル化」

演説する習近平氏(写真は2013年、モスクワでのもの)。

 

《本記事のポイント》

  • 習氏は、「自由貿易の推進」と「保護貿易への反対」姿勢を示した。
  • ダボス会議の主催者側は、中国に期待を寄せている。
  • グローバリズムの名の下に、中国が世界の覇権を握ろうとする動きに注意すべき。

 

世界の政治家や経済界のリーダー約3000人が一堂に会する世界経済フォーラム(WEF)の年次総会、いわゆる「ダボス会議」が17日、スイス東部ダボスで開幕した。

 

今年の議論のテーマは「対応し、責任を負う指導力(Responsive and Responsible Leadership)」。現在、欧米では、グローバル化やエスタブリッシュメント(支配階層)への反発が勢いを増しており、政治の指導力が問われている。

 

同会議では、ドナルド・トランプ次期米大統領が世界経済や国際情勢に与える影響などについて、まさにトランプ氏の就任直前の20日まで、活発な議論が交わされる。

 

 

トランプ氏と真逆の考えを示した習氏

開幕式では、中国の国家主席として初めて習近平氏が出席し、基調講演を行った。習氏は、「世界の問題はグローバル化によるものではない」と繰り返し強調。経済のグローバル化を推進する姿勢を明らかに示した。

 

トランプ氏が環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱する考えを示していることについて、習氏は「中国は、アジア太平洋自由貿易圏の形成などの交渉を進めて、世界に開かれた自由貿易圏のネットワークをつくる。開放的で透明さを訴え、排他的で細分化された仕組みを目指したりはしない」と語り、「自由貿易の発展の堅持」と「保護貿易への明確な反対」について強調した。

 

また、「規制や制裁強化などの『貿易戦争』を続ければ、『共倒れ』になる」と発言。中国製品に高関税をかけると宣言するトランプ氏をけん制している。

 

ロイターやワシントン・ポストなどの米メディアは、「習氏は演説で、中国がアメリカに代わって、世界経済のグローバリズムの旗振り役を担うという考えを示唆した」と報じている。

 

 

中国に期待を寄せるダボス会議の主催者

トランプ新大統領誕生の直前に、中国のトップをダボス会議に登場させるというところに、開催者はどのような意図を持っていたのか。

 

ダボス会議を主催したシュワブ会長は、開幕前のインタビューで、欧米でグローバル化への反発が高まっている情勢下において習氏の参加は「重要」とし、中国がアメリカに次ぐ経済大国としての役割と責任を担う姿勢を示すことに期待を寄せている。

 

「私たちは互いにつながり、互いに必要な『地球』という1つの村に暮らしているのであり、グローバリズムと反グローバリズムをボタン一つで切り替えることはできない。グローバリズムのもたらすプラスの面を生かしつつ、全体を脅かすマイナスの面をしっかりと認識し、対処していくことが重要だ」(17日付NHK)。

 

 

グローバリズムと共産主義

習氏は演説で、「自由貿易」の重要性について熱弁をふるったが、18日付のウォールストリート・ジャーナルは、「ダボス会議にいた聴衆は、自由競争の土台を壊してきた国のリーダーによる演説を皮肉った」と報じている。

 

中国以外の政府や企業は、外資企業が中国に参入する際に、さまざまな規制があることや、為替介入によって、安い価格の商品をアメリカやヨーロッパで売っていることに不満を抱いている。また、トランプ氏は、中国政府が人為的に人民元を安く抑えて、輸出で儲けていることを批判。

 

習氏が、自国の「不透明で不公正な貿易・為替政策」を棚に上げて、自由貿易やグローバル化の理想を語っても、矛盾に満ちたその演説は虚しく響くだけだ。

 

また、習氏が演説で、「グローバリズムの旗振り役」になるという姿勢を示したのは、驚くべきことではない。

 

大川隆法・幸福の科学総裁は著書『繁栄への決断』の中で、グローバリズムについて次のように述べている。

 

グローバリズムそのものは、主としてアメリカ発信のものではあったものの、結局、ある意味においては、『万国の労働者よ、団結せよ』という共産党のスローガンと似たようなところがあったのかもしれません。(中略) どこにでも同じルールを適用していくと、結果として共産主義に似てくるところがあるわけです

 

共産主義はその理想に反して、一部の権力者が富を独占し、貧しい者は貧しいままという絶望的な格差社会を作り出してきた。それは、中国国内の格差社会を見れば、一目瞭然だ。

 

アメリカの中国問題専門家マイケル・ピルズベリー氏が著した『China 2049』によると、中国共産党は、絶えず国力を増強し、建国100周年の2049年までに、中国は世界ナンバーワンの強国になるという野望を抱いている。

 

グローバリズムの名の下に、中国が貿易の不均衡や不公正を続け、世界の覇権を握ろうとする動きに注意したい。

(小林真由美)

 

【関連書籍】

幸福の科学出版 『繁栄への決断 ~「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785

 

【関連記事】

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