2016年に「ザ・リバティ」本誌の映画ページで紹介した作品を中心に、リバティ編集部の映画担当者が、おすすめ作品を「泣ける」「笑える」「勉強になる」に分けて勝手にランキングします。さらに、本誌で紹介しそびれた作品も含めて、改めてひとこと加えて映画をご紹介。お正月のDVDや劇場鑑賞の参考にどうぞ。(16年3月号~17年2月号掲載分より)

【泣ける】

  • 1位「青空エール」(9月号)
  • 2位「海賊とよばれた男」(1月号)
  • 3位「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(1月号)

勝手にランキングなので、個人的な「泣け度合」で選びました。

1位は、高校生の部活と恋愛を描いた爽やかな青春モノで、元気が出ること間違いなし。2位は、「永遠の0」に続く、百田尚樹さん原作、岡田准一さん主演の作品で、出光興産の創業者をモデルにした壮大なストーリー。映画もいい作品ですが、実を言うと筆者は原作のほうが夢中になりました。3位は、ちょっと不思議な恋愛ファンタジー。描かれるのは切ない恋なのですが、人を愛することの美しさを再発見できる作品です。

【笑える】

  • 1位「高台家の人々」(7月号)
  • 2位「あやしい彼女」(5月号)
  • 3位「ズートピア」(5月号)

邦画が頑張っています。しかも、笑えるのにちょっと泣ける邦画も増えてきた気がします。

1位は、妄想女子が人の心を読めるテレパスに恋をしてしまったというラブコメディ。妄想をきちんと描いているところがおもしろいのですが、意外に最後は真面目ないい話です。2位は、毒舌のおばあちゃんが突然20歳に若返り、人生をやり直すというストーリー。これも最後はホロリとします。3位は、2016年の興行収入4位にもなったディズニー作品で、動物たちが暮らす世界を描いた3Dアニメ。筆者のお気に入りは、主人公が都会へ出るシーンと、ナマケモノが笑うシーン。

【勉強になる】

  • 1位「歌声にのった少年」(10月号)
  • 2位「ハドソン川の奇跡」(11月号)
  • 3位「祈りのちから」(8月号)

映画って、外国や、異なる文化圏、普通は体験できないことなどを、疑似的に体験させてくれるものでもあると思います。1位、2位は実話をもとにした作品。

1位は、紛争中のパレスチナ・ガザ地区を脱出し、中東の人気オーディション番組で優勝して歌手になった青年の物語。ガザの異常な日常に驚かされます。2位は、飛行機が鳥の衝突によってエンジン停止し、ハドソン川に不時着水した事件をもとに描いたドラマ。訓練の大切さや、判断がいかに運命を分けるかなどを痛感する作品です。3位は、キリスト教の宣伝映画とも言えるドラマですが、キリスト教の「祈り」について理解が深まります。

【ひとこと言いたい】

  • 「君の名は。」
  • 「奇蹟がくれた数式」(11月号)
  • 「天使に"アイム・ファイン"」(3月号、4月号の特集で紹介)

「君の名は。」は、アニメということもあって、完全に紹介候補から漏れていました。本誌でご紹介できなかったことを読者のみなさまにお詫びいたします。

ヒットの理由はいろいろあるか思いますが、やはり注目ポイントは、誰もが感じているけど言葉では説明できない「霊的な感覚」が描かれていたことではないでしょうか。例えば、「とても大切なこと(人)なのに思い出せない」「街でふとすれ違ったある人を、よく知っているような気がした」「手触りまで覚えているようなリアルな夢を見た」などなど。これって、人間が霊的な存在であるがゆえの感覚だと思います。唯物論的な日本の"常識"が揺らいでいるのを感じます。

「奇蹟がくれた数式」は、誌幅の関係で本誌にはあまり書けなかったのですが、とてもいい作品です。実在のインド人天才数学者ラマヌジャンの実話をもとにしています。あらすじはこう。

「イギリス人数学者のハーディのもとに、植民地のインドから1通の手紙が届く。差出人はインド人青年ラマヌジャン。手紙には、著名な数学者のハーディも驚くような新発見となる数式がいくつも書かれていた。ハーディはラマヌジャンをイギリスの大学に招き、共同研究を始めるが、ラマヌジャンの数式は、直感的な閃きで得られたもの。学術的に発表して認められるには、その数式が正しいことを論理的に証明する必要があった――」

無神論者のハーディと信仰深いラマヌジャンが衝突を繰り返しながら、数学とは何かという問いに答えてくれるようなストーリーです。科学と唯物論はイコールではない――ラマヌジャンの短い人生はそれを教えてくれているように感じます。

「天使に"アイム・ファイン"」は、当グループの作品なので手前味噌にはなりますが、おすすめさせてください。筆者は、本作の監督である園田映人さんにインタビューをしました。そのときの話で印象に残っていることがあります。

それは、本作が、現実とファンタジーが融合されていることについて聞いたときの園田監督の答え。「あのシーン(現実の中で突然ファンタジーが始まる場面のこと)は、現実の人の心の動きを丁寧に追ってきたのに、『なんであそこで踊るんだよ、冷めたわ』って言われてもおかしくないシーン。それはわかっていますが、天使の気持ちとこの世で悩みの中にある人間の気持ちにすごく差があるので、人間の気持ちが変わっていく瞬間、離れていた心が近寄っていく瞬間を描きたかった」と話していました。

もしかしたら今この瞬間にも、霊界では、驚くようなことが起こっているかもしれない。そしてそれは、数々の映画作品で、ファンタジーというかたちで表現されているのかもしれないと感じました。「天使に"アイム・ファイン"」は、天使の働きを身近に感じることができる、元気が出る作品です。

2017年も、素敵な映画との出会いをサポートします。どうぞよいお年をお迎えください。

(大塚紘子)

【関連書籍・DVD】

幸福の科学出版 『映画「君の名は。」メガヒットの秘密 新海誠監督のクリエイティブの源泉に迫る』 大川隆法著

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映画DVD 「天使に"アイム・ファイン"」

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