ミッキーも見てられない!?

中国では、今年6月に上海ディズニーランドが開業した。しかし、まだ半年しか経っていないにもかかわらず、早くもその人気が一段落しているという。このほど、日経新聞が報じた。

価格に見合ったサービスを

大きな原因として挙げられているのが、「価格の高さ」と「サービスの悪さ」。つまり、価格に見合うだけのサービスが提供できていないということだ。

記事では、「アトラクションが楽しい」「雰囲気が良い」「交通が便利」という来園者の声を紹介。だが一方で、不満も多い。「従業員の話し方が乱暴だし、割り込みをする人がいても知らんぷり」「数は多いのに道を尋ねてもはっきりと答えられない」など、ディズニーの売りであるはずの「感動」以前の問題が指摘されている。

こうした上海ディズニーランドの現状は、顧客中心ではなく、自分(自社または従業員)中心の考えという点で、「商売の悪い見本」と言えるかもしれない。

その結果、価格と提供するサービスの価値が見合っていない。価格を下げるなどの対策を取っているようだが、ただ価格を下げればいいというわけではないだろう。

「お客様に感動を与える」という精神

一方、東京ディズニーリゾートは相変わらず人気だ。

今年の4~9月期には、前年同期に比べて若干入場者数は減ったが、上海ディズニーランドの開園で減少が予想されていた訪日外国人の来場が大幅に減ったわけではないようだ。実際、東京ディズニーリゾートに来場する訪日外国人はかなり多い。2015年度には前年比で45%も増え、2,135万人に達した。

東京ディズニーリゾートがこれだけ根強い人気を誇っている要因は、やはり「キャスト」と呼ばれるスタッフのサービス精神やおもてなし精神の徹底にある。ディズニーリゾートという「夢の国」を創り上げ、どんな時もお客様に感動を与える精神性の高さが、約9割とも言われているリピーター率の高さに表れているのだろう。

リピーターづくりの大切さ

実は、東京ディズニーリゾートの人気を支えている大きな要因が、このリピーターだ。

大川隆法・幸福の科学総裁は2012年7月、ディズニーランドの創設者であるウォルト・ディズニー(1901~66年)の霊を招き、リピーターをつくることの大切さと、そのつくり方について聞いた。

成功の秘訣は『リピーター』だと思うんだよ。(中略)リピーターがつくれないところは、みな、そうですけど、『細部のこだわり』が足りないのよ。(中略)『人の動き』『演出』『内容』、そういう目に見えないところの細部にこだわったものが、永続するんだ 」(大川隆法著『ウォルト・ディズニー「感動を与える魔法」の秘密』所収)

資本主義社会では、「人に感動を与え、感謝されるものは、発展する」のが法則。中国も資本主義を取り入れているとはいえ、本質的には、社会主義であり、軍事独裁国家である。上海ディズニーランドの姿は"反面教師"だが、その問題を根本的に解決するには、中国という国家自体が変わらないといけないのかもしれない。(慈)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『ウォルト・ディズニー「感動を与える魔法」の秘密』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1125

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2015年2月1日付本欄 東京ディズニーリゾートが値上げ 厳しい時代を生き抜く創意工夫を

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2014年4月号 「ウォルト・ディズニーの約束」 リバティWeb シネマレビュー

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