国際関係アナリスト

北野 幸伯

プロフィール

(きたの・よしのり)1970年、長野県生まれ。モスクワ国際関係大学国際関係学部卒。カルムイキヤ自治共和国大統領顧問を務め、メールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を創刊。著書に、『プーチン最後の聖戦』『日本自立のためのプーチン最強講義』(ともに集英社インターナショナル)など多数。

ロシアのプーチン大統領の来日が決まったが、期待されていた北方領土の返還はトーンダウンし、北方領土における「共同経済活動」を目指す方針が報じられている。本誌2017年1月号では、北方領土問題に関する日露の考え方の違いについて、ロシア在住の国際関係アナリストである北野幸伯氏に話を聞いた。誌幅の関係で紹介できなかった内容を本欄で2回に分けてお送りする。2回目は、ロシア経済の今について。

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――日本にとって、中国にどう対処するかということが外交上の大きな課題です。ロシア国内では、中国はどう受け止められているのでしょうか。

北野氏(以下、北): まず、私は「日露関係を強化することが、中露の結びつきを弱めることになり、中国との戦争リスクを減らす」と考えています。