2016年度上半期、税収がとうとう下がる 繰りかえされる消費税の罠

2016年度上半期、税収がとうとう下がる 繰りかえされる消費税の罠

 

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財務省公表資料を元に編集部作成(単位:兆円)。

 

財務省がこのほど発表した2016年4~9月期(上半期)の税収が、前年同期に比べて4.8%減少した。税収の内訳を見ても、所得税、法人税、消費税それぞれが、前年同期よりも下がっている。

 

上図のオレンジ線を見ても分かるように、上半期の税収が下がるのは、リーマンショック直後の2009年度以来、7年ぶりとなる。

 

 

税収減の原因は消費の冷え込み

各紙は税収減の要因として、「円高」「原油安」「企業への法人税の還付金」などを挙げる。

 

しかし、根本要因は国内消費の冷え込みと考えるべきだろう。

 

例えば7~9月期の国内総生産(GDP)はまだ正式発表されていないが、民間シンクタンクの予測によると「アジア向けの電子部品など輸出がけん引するが、個人消費の冷え込みが足を引っ張った」と言われている。そのため、企業も設備投資に慎重になっている。

 

 

増税後、税収が「一瞬増えてじわじわ減る」パターン

上半期の税収の推移を、過去の通年度の税収と比べると、興味深いパターンが浮かび上がってくる。

 

ポイントは消費税だ。

 

消費税3%が導入された1989年、同年度と翌年度の税収は上がったが、翌々年度から税収はじわじわ下がっている。ご存知の通り、長期不況の始まりだ。

 

その後、少し景気が上向いたとして、1997年に消費税は5%に引き上げられた。その年度の税収は上がったが、翌年度からまた下がっていった。

 

いずれの時も、「消費税を導入・税率上げすると、1~2年は税収が上がるが、その後じわじわと下がっていく」というパターンが繰り返された。税収が一瞬増えるのは、「消費税引き上げ自体、景気が絶好調の時に行われること」「景気の冷え込みに備えて、大規模な財政出動が行われること」などが理由だろう。

 

そして今回も、2014年に消費税が8%に引き上げられた。その翌年度の税収は上がった。財務省は、消費税を引き上げても堅調に税収が増えることを強調し、2016年度の税収も前年度から2.3%増えると試算してきた。

 

しかし、上半期の税収と、通年の税収が連動することを考えると、今年度の税収は落ち込むことが予見される。

 

背景は今回も同じだ。

 

アベノミクス開始後、近年まれにみる景気回復の予兆が見られる中、政府は過去最大の金融緩和を行い、2016年度には96兆円という過去最大の当初予算を組み、補正予算を上乗せした。税収は一瞬上向いたが、経済の冷え込みで、再び下がりつつある。大事なポイントは「最も足を引っ張っているのはGDPの6割を占める個人消費」ということ。外国経済や円高のせいにはできない。

 

 

消費税の減税を検討するべき

もちろん、上半期の税収が減っただけで、「これから税収が減り続ける」と決め付けることはできない。ミラクルが起きて下半期に景気が回復したり、統計の数字を底上げするために、財務省が何らかの“対策"を打つかもしれない。

 

しかし、長期的に税収を増やしていきたいなら、消費税率を戻すことを本格的に検討するべきではないだろうか。現在、「100円ショップ」の売り上げが伸びているというが、「デフレ期には値下げが利益を上げる」ことに、政府も気付いて欲しい。

(馬場光太郎)

 

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タグ: 消費税  財務省  円高  原油安  法人税  不況  デフレ  

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