衆院東京10区、福岡6区の補欠選挙が11日、告示された。各紙とも、候補者の第一声を夕刊や電子版で報じ、その中では、以下のような文言が並んだ。

NHK NEWS WEBや朝日新聞は他メディアに比べて、比較的公平に報じているが、写真のように自民系対民進党候補の対立構図のみ報じる場合が多い(写真は11日付読売新聞夕刊)。

「東京10区は事実上の与野党対決、福岡6区は自民党系の無所属候補2人が、野党候補と争う構図となった」(読売新聞)

「東京10区補選は都知事になった小池百合子氏の衆院議員失職に伴うもので、事実上の与野党一騎打ち」(日経新聞)

「東京10区は事実上の与野党一騎打ち。福岡6区は自民系無所属二人が立候補し、分裂選挙になった」(東京新聞)

「東京10区は、自民、民進両党公認による事実上の一騎打ち。福岡6区は自民党系無所属2人と民進党候補の争いが軸となる」(時事通信)

各紙とも、自民党系の候補者と、野党連合の民進党候補のみの対決構図として、今回の補選を報じている。しかし各選挙区には、幸福実現党からもそれぞれ立候補者が出ている。

本欄では、「事実上の一騎打ち」と報じる各紙に、"事実上"存在しないことにされてしまった候補者たちの第一声を紹介したい。

東京10区の吉井氏「元気な経済があってこそ元気な年金」

東京10区においては、幸福実現党の吉井としみつ候補が、池袋駅にて第一声を上げた。

吉井氏は、消費税率を8%に上げた結果、経済が横ばい状態であることに触れた。その上で、「自民党・公明党も増税路線、民進党も増税路線。国民は、増税しか選んじゃいけないんでしょうか」と訴えた。

さらに、消費税率引き上げの根拠にされている年金問題についても、以下のように語った。

「年金の積立金は、様々な株式などで運用されています。その結果、1年で10兆円も無くなりました。

何のために消費税を上げたのでしょうか。消費税を上げたって、景気が悪くなり、金利は乱高下し、運用は難しくなっている。消費税を上げても、年金は安心できるどころか、むしろ10兆円無くなっているじゃないですか。

この10兆円を消費税に換算すると、5%分なんです。元気な経済があってこその元気な年金制度なんです。土台がぐらぐらしているのに、柱だけを補修して、家が直るんでしょうか」

釈量子・幸福実現党党首も応援演説を行い、同党から候補者を立てる意義を以下のように訴えた。

「今回の選挙をひと言で言えば、『自民党混乱選挙』じゃないでしょうか。

小池さんが出馬された都知事選の後、自民党の混乱をご覧になったとい思います。結局、若狭さんが立たれました。しかし、内情はいろんなことがございます。福岡の補選もそうです。自民党の古い体質が変わっていないことを、多くの有権者の皆様が感じておられます。

民進党さんもそうではないでしょうか。野党連合とおっしゃいますが、考え方が違う方々が寄せ集まって、政治をどういう方向に持っていくのか、哲学がございません。

私たちはこんな日本の状況を見た時に、『新しい選択肢』がどうしても必要だと思って、立ち上がったんです」

福岡6区の西原氏「政治家には感謝の心が必要」

福岡6区では、幸福実現党の西原ただひろ候補が、西鉄久留米駅前で第一声を上げた。

西原氏は「私自身、自分の苦しみばかり考えてきた人生でございました」と、家庭や仕事の悩みに苦しんだ過去に触れた。その上で、父母の恩を丁寧に思い出していく中で、多くの人の愛を忘れてきたことに気付かされ、人生が変わった経験を語った。

その上で、政治家に求められる精神性について、次のように問いかけた。

「国防に関して言えば、『いかに一人間として愛された自分であるか』ということを悟っていく中に、『多くの人々の幸福のために生きたい』という本物の心が湧いたとき、真に正義の心が湧いてきて、『日本の国民一人たりとも命を失わせてはならない』という強い心が生まれて来るのでございます。

経済においても、ばらまいて、ばらまいて、ばらまいて、ギブ・アンド・テイクで政治をする。だから借金がかさむのです」

西原氏は、憲法9条改正などの国防強化や、減税や規制緩和による「小さな政府」の実現を訴える。

神武桜子・幸福実現党副党首も応援演説を行った。

「北朝鮮の核実験が当たり前の世の中になっています。北朝鮮のミサイルの危機にさらされています。国会議員は真摯に対応しているでしょうか。この国防対策こそ、一番の課題です」と、経済政策が争点の中心となっている状況に疑問を示した。

有権者にとって選挙とは、候補者を選ぶものであると同時に、政策を選ぶものでもある。両者の主張を見た時に、「政策の選択肢」として、あえて省いて報じることが有権者の利益になると言えるだろうか。

(馬場光太郎)

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