日中会談"実現"の裏で日本は何を失ったのか?

日中会談"実現"の裏で日本は何を失ったのか?

各種首脳会談が行なわれた中国・杭州。

 

安倍晋三首相は5日夕方、中国の習近平・国家主席との日中首脳会談を行った。会談は、二十カ国・地域(G20)首脳会談の閉会後の実施となった。

 

安倍首相は、尖閣諸島問題について最低限の抗議を行った上で、関係改善を演出する見込みだと報じられている(5日付読売新聞ほか・本欄執筆時点)。

 

この会談と「尖閣諸島周辺に中国の漁船・公船が押し寄せ、安倍政権が抗議というポーズしか取っていないこと」の間には、同じ発想が流れている。

 

 

自民党、もう支持率が保てない!?

夏の参院選で大勝した自民党だが、水面下では支持率の維持に危機感を抱いている。

 

参院選の中、演説・CMで強調された、「アベノミクス成果」はほとんど表れていない。内閣府が発表した2016年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値も、年率換算で0.2%増とほぼ横ばいだ。

 

日銀の黒田東彦総裁が各所で「まだまだ金融緩和はできる」と繰り返す姿も、そろそろ国民には痛々しく見え始めている。

 

方や、民進党の代表戦では、人気の高い蓮舫氏が当選する見込みが高い。

 

同氏は、先の参院選において東京でトップ当選している。40代という年齢を見ても、「新しい政治」という印象を、民進党に与えるだろう。「10月に行われる衆院選の東京10区の補選では、蓮舫氏が出馬するのでは」とも言われており、そうなれば自民党候補は敗れる可能性も高い。

 

こうした現状を見れば、先の参院選は、自民党にとって最後の大勝だったかもしれない。これからも議席の3分の2を維持するのは、厳しい。

 

 

中国には外交カード

そんな中、安倍首相は左派の支持が離れないようにしたい。だからこそ、G20の機会に習氏と会談し、中国との「関係改善」を演出しなければいけならなかった。

 

しかし、安倍政権のこうした思惑は、中国にとって「外交カード」以外の何ものでもない。

 

安倍政権は、習政権の機嫌を損ねないように、尖閣諸島問題でも形だけの「抗議」で済ませざるを得ない。それを見越した中国は、尖閣諸島にどんどん船を送り込む。そしてこの機に乗じ、尖閣支配への布石を打つ……。

 

 

前日深夜までずれ込む日程調整

こうした状況を裏付けるかのように、今会談の日程調整はかなり難航したことを、各紙が伝えている。

 

その決定は、4日深夜にまでずれこんだとか。「今回は特に中国側の態度が煮え切らない」という外務省幹部の声を、5日付読売新聞が報じている。

 

今回、なんとか日中首脳会談が"実現"したわけだが、ぎりぎりの交渉の裏で、国益に反する譲歩を引きだされてはいないだろうか。

 

いずれにせよ、支持率中心の政権運営は、他国に足元を見られ、国益を失う可能性があることを肝に銘じておきたい。

(馬場光太郎)

 

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タグ: 日中会談  中国  習近平  安倍晋三  尖閣  外交  自民党  参院選  蓮舫  

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