オバマ大統領が今月27日に広島を訪問する。現職のアメリカ大統領が広島を訪問するのは、これが初めてだ。

今回のオバマ大統領の広島訪問は、核不拡散における努力をアピールすることが目的だ。アメリカ国内で「原爆投下に対する謝罪と取られるのでは」と懸念する声が根強い。

ホワイトハウスの報道官は、「オバマ大統領が原爆投下への謝罪をすべきだと考えていない」と述べた。日本の安倍晋三首相も、オバマ大統領の広島訪問を「心から歓迎する」と述べたが、原爆投下について「謝罪の必要はない」との認識を示している。

原爆投下の解釈はアメリカ国内でもさまざま

この件について、14日付「ジャパンタイムズ」に「オバマ大統領は広島で謝罪すべきか?」という問いに対する、世界90カ国1000人以上の読者アンケート結果が掲載された。

全体の結果は、「オバマ大統領は謝罪すべき」が39%、「謝罪の必要はないが、核兵器の不拡散を訴えるべき」が42%、「絶対に謝罪すべきでない」は19%だった。

同記事には各回答の理由も掲載されており、アメリカ国内で原爆投下の解釈において議論が分かれていることが分かる。

「謝罪すべき」と答えたアメリカ人は、「原爆投下は必要なかった。原爆によって多くの日本人の命が救われたと一般的に言われているが、実際はそうでなく、原爆投下の時に日本はすでに瀕死の状態で、ソ連が満州に侵攻して多くの日本人を殺した段階で、降伏する用意ができていた」と理由を説明。

「謝罪の必要はない」と答えたアメリカ人は、「さらなる日本への被害を防ぐためにも、原爆投下は必要だった。原爆投下で、それ以上の日本への被害を防ぐことができた。京都のような文化都市に原爆を落とさなかったという事実にも、アメリカの親切心が表れている」と述べている。

しかし原爆投下時、日本の都市はすでに空襲で焼け野原と化していたため、戦争終結のために原爆投下は必要なかった。原爆投下を行った理由は、「原爆の威力を試したかったから」「ソ連へのけん制」「日本人への差別意識があったから」などと言われている。

国際社会で広がる誤った歴史観

また、「絶対に謝罪すべきでない」を選んだニュージーランド人は、次のような理由を述べている。

「日本は、広島や長崎への原爆で亡くなった10万人をはるかに超える数の中国人を虐殺したが、正式には謝罪をしていない上に、これらの罪の多くを否定している。もし日本が近隣諸国を侵攻しなければ、日本に対する原爆投下もなかった」

しかし、日本の戦いの本当の意味は、欧米列強からアジアの植民地を解放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕いたことにある。日本は、南京大虐殺などの誤った歴史認識を払拭するために、国際社会で主張していく必要がある。

今必要なのは核不拡散よりも「核を使わせない」こと

現在、北朝鮮は核実験を繰り返しており、中国も数多くの核ミサイルを日本に向けている。中国や北朝鮮は、オバマ大統領がいくら核の不拡散を訴えても、聞く耳を持たないだろう。

「核なき世界」は理想的であるが、日本は現在、こうした北朝鮮と中国による「核の脅威」に直面しており、アメリカの「核の傘」を借りることで抑止している。安易に「核なき世界」をアピールすることよりも、核を持つ独裁国家に対し「核を使わせない」強さをアピールする必要があるのではないか。

(小林真由美)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『北朝鮮・金正恩はなぜ「水爆実験」をしたのか 緊急守護霊インタビュー』 大川隆法著

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