三木武夫(画像はWikipediaより)。

世はまさに「田中角栄ブーム」。昨年来、角栄にまつわる本だけで、10冊以上が出版され、書店の棚を占拠している。

ブームの火付け役は、作家・石原慎太郎著『天才』(幻冬舎)だ。角栄批判の急先鋒だった石原氏が、角栄の人生を一人称で回顧するという斬新な切り口により、ベストセラーを博している。

角栄は、1976年のロッキード事件で逮捕されるが、その時の内閣総理大臣は、三木武夫だった。三木は、角栄の「政敵」で、74年12月から76年9月まで内閣を率いた。

三木内閣は2年にも満たない短命政権だったが、実は、その後の日本を左右する判断を下している。今回は、三木の人生に注目したい。