ペルーで行われている大統領選挙の投開票が行われ、フジモリ元大統領の娘であるケイコ・フジモリ氏がトップとなった。ただ、過半数に達しないとみられ、6月の決選投票まで引き延ばされる。

ペルーの貿易額としては、2014年に輸出入ともに、中国相手がトップであり、経済的な関係が強い。ここで再び日系人のフジモリ氏が大統領として選ばれれば、日本との関係強化のきっかけとなるかもしれない。

中国系企業による運河建設は頓挫?

中国の触手がじわじわと伸びている中南米だが、その状況は変化しつつある。

5日付のインターナショナル・ニューヨークタイムズ紙は、中国系企業がニカラグアで建設中の運河計画について「とん挫したようである」と報じた。中国株の下落と経済の不調により資金不足となった、というのが理由の一つと分析されている。

そしてもう一つ、現地の住民による反対運動も起きている。当初、運河の建設については、「雇用が増え、国内総生産が二倍になる」として推進された。しかし、実際には経済効果は不透明なままであり、各方面からは反対の声が上がっている。多くの家の壁には、「中国人、出ていけ」と書かれているという。

現地に雇用を生まず、経済成長にも寄与しないというのは、中国系企業がアフリカで展開している手法そのもの。「新植民地主義」と批評される中国のやり方に、反発の声や脅威論が上がっているのだろう。

日本の味方は中南米にも

中南米の国々の、日本への期待は大きいようだ。アルゼンチンのマクリ大統領と日本の安倍晋三首相は、1日の首脳会談で、経済・安全保障分野などで協力することで一致するなど、関係強化を求めている。また、ブラジルのルセフ大統領も以前、日本の国連安保理常任理事国入りを支持していた。

日本政府は今後、中南米の国々への融資を拡大する方向というが、中国も依然として、中南米への投資や貿易額を増やす構想を立て、あの手この手で取り込もうとしている。各国の成長可能性や、国家間のつながりの意味の大きさを考慮し、関係を強化すべきだろう。

(河本晴恵)

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