高浜発電所(3、4号機)(画像はWikipediaより)。

大津地裁は9日、関西電力(関電)の高浜原発3、4号機(福井県高浜市)の運転差し止めを命じる仮処分を決定した。仮処分は即効力を持つため、関電は10日、運転中の3号機を停止した。

大津地裁の裁判長は、決定の理由として「住民の生命や財産が脅かされるおそれが高いにもかかわらず、関西電力は安全性の確保について説明を尽くしていない」と述べた。

仮処分は昨年1月、滋賀県民が、原発事故が起きれば琵琶湖が放射性物質で汚染され、生命の危機に陥るとして求めていたもの。関電は決定を不服とし、大津地裁に異議申し立てと執行停止申し立てを行う方針だ。

高浜原発3、4号機は昨年2月、新規制基準に基づいて原子力規制委員会の審査に合格した。だが、福井地裁で運転差し止めの仮処分を受け、その取り消しがなされたのが昨年12月。3号機は今年1月下旬、再稼働し、4号機も2月下旬に再稼働したが、4号機はトラブルで一旦停止していた。

安全保障や経済に大打撃

これは、司法判断で原発の運転の可否が左右される異常な事態だ。今回の決定について、おもな問題点は3つ挙げられる。