2016年4月号記事

映画「天使に"アイム・ファイン"」特別企画

震災から5年 園田監督がロケ地を再訪

「福島から幸せを運びたい」

ここにもあった「天使に"アイム・ファイン"」物語

3月19日から公開される映画「天使に"アイム・ファイン"」の

ロケ地となった福島県会津若松市。

実際の撮影現場となった農家に園田映人監督が訪れ、

風評被害にも負けずに農業を営む家族に話を聞いた。

(編集部 河本晴恵)


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古川さん宅で撮影した「福島の章」のワンシーン。八百屋を経営する父親に反発する優也を、ある青年との出会いが大きく変える。

園田映人監督(以下、園) : 古川さん宅の納屋の撮影が、クランク・インでしたね。

古川喜一郎さん(以下、古) : 当日はトラックやバスが何台も来ていたので、「何をやっているのか」と、近所の方がたくさん見ていました。

: 本当にお騒がせしました。いろんな媒体や、映画会社の幹部の方も来ていましたから。

: 皆さん、熱気があって一つの方向に向かっていましたね。あの時、監督さんから「会津弁をご指導ください」ってお願いされたんですが、役者さんが私より上手くてビックリしました。スタッフさんも一生懸命で、圧倒されました。

: 脚本を見て、やりたいと手を挙げてくれたスタッフだったので、思いが一つになっていました。撮影を通じて体調がよくなったという方もいますし。古川さんにはロケ中に烏龍茶を振る舞ってもらったんですけど、スタッフの間では「烏龍茶の方」と有名で。皆を笑顔にしてくれた古川さんの存在は大きかったです。

放射線による害はない

: 土屋さんと古川さんは、ご親戚同士で株式会社を立ち上げられて、お米の生産から販売まで手掛けていらっしゃるんですね。起業されたのが2012年で、ちょうど風評被害が激しい時期だったと思いますが、実害はありましたか。

次ページからのポイント

立ち上がる人々を描いた

大事なのは「天使」の心

今後のビジョン