星からの光の強さが不規則に変動するのは、宇宙人の巨大人工物がその星からの光を遮っているのではと世界的に大きな話題を振りまいた星に、また新たな疑問が生じて天文学者たちを悩ませている。

ケプラー宇宙望遠鏡が2009年から4年間観測していたKIC8462852は、不規則に暗くなることがあり、時には20%も光の量が落ちていた。定期的に光の量が落ちるのなら、その星の軌道を周回する惑星のためと考えられるのだが、それが不規則なために、大量の彗星が前を通過しているという説や、その星を宇宙人の建造した巨大人工物が取り巻いているのではといった説まで出ていたのだ。

しかし、ルイジアナ州立大学のブラッドリー・シェーファー教授が、新たな論文を発表することで、少なくとも彗星説はありえないということになり、更に疑惑を深めることになった。

New Scienceの記事によると、シェーファー教授は、ハーバード大学の過去100年の星の写真乾板をデジタル処理したアーカイブを調査、光の量を分析したところ、この星は、100年の間に19%暗くなっていたことがわかった。彼の計算では、64万8千の彗星がこの星の前を通過しなければならず、それは実際ありえないことだという。彗星説を唱えたエール大学のタベサ・ボヤジアン氏も「彗星説にとって困ったことになった」とコメントしている。

シェーファー教授は、いくら進化した宇宙人でも、ダイソン球といった宇宙人による人工の巨大建造物が100年で星の5分の1をカバーしてしまうことができるだろうかと懐疑的ではある。しかし、現在のところうまく説明できる説はなく、仮説として残されている。

しばらくの間、この星は太陽に隠れ地球からは観測不可能となるため、さらなる次の観測にむけて準備中ということだ。多くのファンが新たな発見を待ち望んでいる。(純)

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2015年10月19日付本欄 星の周りに謎の巨大物体発見 「惑星」?「宇宙文明」?

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