ある大学生が書いた卒業論文が話題になっている。

東北学院大学で社会学を専攻する工藤優花さん。卒論のテーマは、「幽霊現象」だ。被災地・宮城県石巻市でフィールドワークを重ねて書き上げた。20日付朝日新聞電子版に、その様子が紹介された。

タクシードライバー「振り向いたのに誰もいない」

記事によると、工藤さんは現地の100人以上のタクシードライバーに、震災後、気になる経験はないか聞いたところ、7人から不思議な体験を聞き出した。その一つが、「コートを身にまとった若い女性」のエピソードだ。

タクシードライバーは、震災が起きた2011年夏、その女性を石巻駅付近で乗せた。女性は、行き先をタクシードライバーに告げたが、行き先はほとんど更地。不審に思ったタクシードライバーが、行き先を再確認すると、「私は死んだのですか」との返事が返ってきたという。驚いて後部座席を振り向くと、誰もいなかった。