今、アメリカ大統領選で最も注目されている、共和党トップ候補のドナルド・トランプ氏。世論調査によると、トランプ氏は共和党の指名争いで、全米39%の支持率を獲得し、他の候補者を圧倒している(12日付ロイター調べ)。

イスラム教徒や不法移民を排斥する過激な発言を連発して、物議を醸すトランプ氏。にもかかわらず、なぜこれほどの人気を集めているのか。

「ブルドーザーのような人でもかまわない」

その理由が垣間見える記事が、1月20日付のInternational New York Timesに掲載された。「トランプ氏がキリスト教福音派から支持を得ている」というものだ。

以下、要旨を紹介する。

  • 大統領選の初戦となるアイオワ州は、キリスト教福音派が多く住む地域。同州では共和党のテッド・クルーズ氏が支持率トップを走る中、16州の福音派の有権者を対象にした世論調査では、トランプ氏が支持率42%を記録し、クルーズ氏の25%を大きく上回った(New York Times調査)。

  • キリスト教徒福音派の人々にインタビューした結果、トランプ氏は、オバマ大統領の失策や不況への国民の不満、シリアからテロリストがアメリカに来る恐怖など、米国民の声を映す鏡のような存在だという。

  • ノースカロライナ州在住の60代男性は、「これまで8年間、失業率を改善できないオバマ大統領が我々の給料を握ってきた。我々には、実際にビジネスや交渉ができる人が必要だ。そのためには、たとえブルドーザーのような人でもかまわない。トランプ氏には過去20年間の実績がある」と述べた。

この記事からは、オバマ大統領に対する失望感や、トランプ氏が実業家であることへの期待感がうかがえる。一見、聖書の教えとは遠いように見えるトランプ氏だが、福音派としては、「彼が無神論者でなく、キリスト教の神を信じているのであれば、それで十分だ(上記記事より)」ということのようだ。

「私はキリスト教を守る」

たしかにトランプ氏は無神論者ではない。トランプ氏は17日のCNNのインタビューで、「私は神と素晴らしい関係を持っている」「人々のイメージとは全く違う生活を送っている」と自身について語った。世界最大のキリスト教福音派の大学であるバージニア州のリバティ大学でも講演し、「私はキリスト教を守る。我々はキリスト教のもとに団結しなければならない」とも訴えた。

福音派は、聖書の教えを忠実に守っているプロテスタントの一派を指す。その中には、「白人は他国より質的に優れている」という考え方もあり、それゆえに、トランプ氏が主張するような不法移民やイスラム教徒に厳しい発言が、多くの福音派から共感を得ているという事情もある。

トランプ氏の発言の奥にある本音

トランプ氏の発言の中でも世界から注目を集めているのが、「イスラム教徒のアメリカへの入国禁止」というもの。差別だと批判を浴びている。

大川隆法・幸福の科学総裁は2016年1月5日、トランプ氏の守護霊を呼び、その本心を聞いた。この内容は、このほど発刊された『守護霊インタビュー ドナルド・トランプ アメリカ復活への戦略』に収録されている。

トランプ氏の守護霊はイスラム教徒入国禁止発言について、「彼らを排除したくないし、殺したくもないし、これ以上重荷を負わせたくもないからだよ。だからこそ、そうなる前に、『気をつけなさい。よく考えなさい。アメリカに来たかったら、気をつけて、アメリカ人らしく変わりなさい』と警告したんだ」と、その真意が「警告」にあったことを明かした。

トランプ氏の守護霊は他にも、日米関係、韓国、ロシア、イラン、中国などの国際政治について、マスコミについて、また日本の国防や移民政策、経済政策についてなど、幅広いテーマで切れのある持論を語った。

もし、トランプ氏が大統領になったら、アメリカをどんな方向に導くのか。日本の運命をも左右するアメリカの選挙を知る上で、ぜひ押さえておきたい一冊だ。(真)

【関連書籍】

大川隆法著『守護霊インタビュー ドナルド・トランプ アメリカ復活への戦略』幸福の科学出版刊

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1613

【関連記事】

2015年12月10日付本欄 トランプ氏「イスラム教徒排斥」発言が批判されるなら、「日本人排斥」の歴史も見直すべき

http://the-liberty.com/article.php?item_id=10600

2015年8月7日付本欄 米大統領選 本格化する共和・民主両党の候補者選び トランプ氏も

http://the-liberty.com/article.php?item_id=10011

2015年6月21日付本欄 お金持ちが政治をやるとどうなるか ドナルド・トランプの出馬表明から考える

http://the-liberty.com/article.php?item_id=9778