米ビジネス・インサイダー紙のサンフランシスコ局長マット・ローソフ氏がこのほど、世界を変える新しい発明に関するオピニオン記事を掲載した。

その中で、新規事業を立ち上げようとする人々に対して、「5歳児を感動させる発明をするべき」と呼びかけた。

5歳児の夢

同氏が、「あったら面白い発明」を5歳の息子に聞いたところ、「タイムマシン」や「テレポート技術」などという答えが返ってきたという。子供ならではの答えだが、実際にそれらの発明が実現すれば、世界を根本的に変えることになる。

たとえば、「パソコン」、「インターネット」、そして「スマホ」などの発明は、通信革命を起こした。現在、多くの人が使用している「ネット販売」や「SNS」は、こうした発明の上に成り立っており、莫大な経済効果を生み出したのだ。

同氏は、「仮想現実」や「自動運転車」など、数年以内に実用化・大衆化されると思われる技術が、さらなる通信革命や交通革命を起こす可能性を指摘しつつも、より「壮大な挑戦が欲しい」という意見を打ち出した。

改善と発明

同氏は、「段階的な改善も重要だ。場合によっては、壮大な計画を練って失敗するより、既存のモノを少し改善するほうが良い。しかし、本当は両方必要なんだ。個人的には、次の大きなモノを見てみたい」とした。

大きな事業を手がけている会社の例として、テスラモーターズ社のイーロン・マスク氏や、グーグル社が存在する。「多分無理だろう」と思われるような事業に挑戦しているのだ。

これらの企業が研究・開発している「個人向けの宇宙旅行」や「空飛ぶ車」など、「誰が使うんだ」と思うようなモノも、人々に感動を与え、大衆に普及すれば、新たな経済革命・成長を生み出すかもしれない。

また、2013年からグーグルは老衰を止めるための薬の開発に挑戦するなど、「死を克服する」研究も手がけている。将来的には、新しいアンチエイジング技術などの発明につながる可能性がある。

世界を変えるような発明は、同時に、「人々に感動を与えるモノ」にもなる。5歳児が夢見て、大人が「無理だ」と言うような挑戦にあえて取り組むことが、世界経済を牽引する者の心構えなのかもしれない。(中)

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