「アンチエイジング薬」が、「生涯現役人生」への起爆剤となるか。

米食品医薬局(FDA)がこのほど、寿命を延ばすとされる薬の臨床試験を世界で初めて許可した。この試験は、今冬から米国内で始められ、70~80代のがん、心臓病、認知症を患っている人、もしくはいずれかの病気のリスクが高い人、計3000人を対象に、5~7年間実施される予定だ。

糖尿病の治療薬が細胞を活性化

臨床試験に用いられる薬は「メトホルミン」という糖尿病の治療薬。この薬を用いたベルギーの研究者らによるマウスの実験で、最大で40%寿命を延長する効果があることが確認されたという。人間に置き換えると、60歳で亡くなる人が、84歳まで生きることに当たる。

実際に、英カーディフ大学の研究では、メトホルミンを投与された糖尿病患者は、投与されていない患者と比べて、平均で8年間長く生きたという結果が示されている。

こうした寿命延長は、メトホルミンの細胞活性効果によるものとされている。

メトホルミンは細胞内の酸素分子をわずかに増やす効果がある。酸素分子を増やしすぎると、細胞を傷つけ、老化を促進してしまうが、少量ならば、逆に細胞を活性化させ、人間の老化を20年遅らせる効果があるというのだ。

こうした医学の進歩により、健康が促進され、長生きできる人が増えるならば喜ばしい。寿命が延びるだけではなく健康も促進されるなら、社会保障費や医療費などの財政問題解決の糸口にもなり得る。

健康的な高齢者が増え、仕事や趣味などを通じて、自分の生きがいを見出すことができれば、生涯現役社会にもつながっていく。

肉体に執着すると死後、迷ってしまう

ただ、こうした研究を進める上で理解しておかなければいけないのは、「人間は死んだら終わりではない」ということだ。

人間の本質は魂であり、魂を磨く修行場としてこの世に生を受ける。肉体はあくまでも「乗り物」に過ぎない。そうした霊的真実を忘れて、この世の命を長らえることが最高の目的と考え、肉体に執着すると、死んだ後に自分が死んだことに気づかず、上手に天国に還れず、この世で迷って家族などにさわりを起こすことになる。

大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『エイジレス成功法 ~生涯現役9つの秘訣~』でこう指摘している。

宗教を学んでおかないと、あの世に渡るときに実際に損をするので、そういう意味での『実学』であるわけです。晩年の総合的学問としての宗教は、どのような業種の人、どのような系統の学問に進んだ人にとっても、天国に入るための"入学試験"の準備として必要なものです。宗教は、あの世において必要になることを数多く説いているので、『宗教を学んでおかないと損である』ということを述べておきます

転生輪廻の過程で、様々な国や時代に肉体に宿り、異なる宗教、文化を経験することで、人間の魂は向上していく。永遠に滅びない肉体がいいわけではない。死は、あの世を含めた人生観から見たら、魂の新生の時に当たり、神仏から与えられた慈悲とも言える。

アンチエイジングが人間を幸福にするには、「魂」「あの世」などの霊的知識が必要になってくる。

(冨野勝寛)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『エイジレス成功法』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1547

幸福の科学出版 『生涯現役人生』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=837

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