三宅久之氏がTVで紹介した「高速道路無料化」記事

三宅久之氏がTVで紹介した「高速道路無料化」記事

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1月16日に放送された読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」のなかで、政治評論家の三宅久之氏が「幸福の科学のリバティという雑誌は、民主党のお家芸である高速道路無料化について、10年以上前に特集している」と紹介してくださった。

この記事以前に景気刺激策として高速道路無料化案を唱えた論は編集部も目にしたことがなく、日本で最も早く打ち出したアイデアであると自負している。

リバティwebアーカイブから、1998年8月号掲載の同記事本文をお届けする。


 

1998年8月号記事

 

緊急提言

高橋亀吉流

恒久減税を超える

景気刺激策!

 

高速道路をフリーウェイ(無料)に!

 

「平成不況」の長期化を裏づける統計が、次々と発表されている。

冷え込む個人消費、過去最悪の失業率、マイナス成長……。

しかし、本誌でもこれまで繰り返し述べてきたように日本の潜在的な成長力は、まだまだ衰えてはいない。

今回は、戦前・戦後を通して活躍し日本の高度経済成長を見事に予測した天才エコノミスト・高橋亀吉氏の視点に立って、画期的な景気刺激策を紹介する。

 

高橋亀吉

(1891~1977)
日本で初めての民間エコノミストであり、昭和初年の金解禁、戦後の高度成長、石油ショックなど、日本経済の重要な時期の経済予測をすべて的中させ、「経済の神様」と称された。主著『私の実践経済学』(東洋経済新報社)には、氏自ら実践した経済分析のコツが分かりやすく述べられている。

 

高速の料金所は現代の関所であり

通行税は経済の円滑化

高速化を妨げている

 

 

所得税減税・

低金利政策とも

効果は薄い

 

 90年代初頭から始まった景気後退は、未だ日本経済に暗い影を落とし続けている。

 この不況対策として、恒久減税が検討されている。「消費者心理を明るくするには、1年限りの特別減税ではなく、恒久減税が必要だ」というのがその理由だ。

 確かに、現在の日本の税率が、諸外国に比べ極めて高く、この税率の歪みが、個人の成功のチャンスを削ぎ、社会の活力を失わせているという指摘は一理ある。その意味で、恒久減税の実施も悪くはない。

 しかし、今は国民の間に不安心理が渦巻いている。リストラによる失業の不安、老後の生活の不安、金融システム不安……。この状況下にあっては、単なる所得税減税では、減税分は消費に回らず、将来の不安に備えることになり、貯蓄に回ってしまうことだろう。

 一方の金融政策はどうか? これも本誌1月号(・金利5%を目指せ!・)で詳述したように、本来景気回復に用いられるはずの低金利政策も、利息収入の激減が購買意欲を失わせているのが現状であり、同じく消費マインドを落ち込ませている。

 所得税減税も、低金利政策も効かない││。今の日本は、国民のマインドがあまりに萎縮しすぎて、景気対策の両輪が機能しない状況に陥ってしまっているのだ。

 

 

不況脱出の秘策は

高速道路料金無料化

による実質減税

 

 しかし、まだ万策が尽きたわけではない。なぜなら景気対策の本質とは、単に減税額や金利などの数字を決定し、発表するだけではなく、いかに分かりやすい言葉で国民を説得し、明るい希望とビジョンを持ってもらい、消費と投資にお金を回してもらえるかという点にあるからだ。

 その観点から、本誌は次の景気刺激策を提案したい。それは全国の高速道路料金を無料化することによる実質減税と、日本全国フリーウェイ化である。

 フリーウェイとは、日本では馴染みが薄いが、無料で高速で走れる道路のことを言う。そして、アメリカではフリーウェイは普通であり、それが自動車産業の活性化・マイカー購入意欲にもつながり、フリーウェイで通勤できる郊外庭つき住宅購入意欲をそそっている。

 1940年に初めて開通したフリーウェイは、その後着実に距離を伸ばし、現在では65’000kmを超える。この高速道路網の発達により、1950年から70年の間に、アメリカの乗用車保有台数は4’000万台から9’000万台に急増。車は個人財となり、セカンドカー、サードカーブームで、自動車産業は大発展した。また、「成功して、車を手に入れて郊外の住宅に移り住む」という「アメリカン・ドリーム」の力によって、郊外地域の開発も進んだ。70年には、郊外の人口が中心都市部の人口を上回っている。

 自動車産業、住宅産業は、他の産業に与える経済波及効果が極めて大きい。戦後アメリカの大発展を支えた重要な要因の一つは、このフリーウェイにあったのである。

 ひるがえって日本はどうか。もはや年間の高速道路の利用車は14億台を超え、貨物輸送に占める高速道路のシェアは4分の1近くを占める。すでに「国民の足」として、日本の大動脈になっていると言ってよい。

 ところが日本では高速道路は100%有料である。そのため、そのコストはすべて国民に転嫁され、経済の効率が悪化している(特に、近年開通した瀬戸大橋、東京湾アクアラインなどは、通行料が数千円に及ぶ。そのため、利用者に敬遠され、従来の路線や鉄道に流れてしまい、通行量が当初の計画に遠く満たない状態にある)。

 しかも、料金所でせき止められることで、交通渋滞を招いている。東名や首都高、東北道などでは、料金所付近で数km、場合によっては10km以上の渋滞が生じることも珍しくない。建設省の試算では、渋滞による経済損失は、年間12兆円にも及ぶという(一般道も含む)。

 このように、今や高速の料金所は現代の関所であり、通行税は、経済の円滑化、高速化を妨げているのだ。

 また、諸外国では、高速道路はガソリン税などの国民の税金によって建設され、基本的には通行料金は無料である。ところが、日本では、高速道路が日本道路公団などの公団によって運営されているため、建設費用の多くは国の資金でまかなわれ、その上にさらに通行料金も徴収されている。要するに、高速道路建設費用は国民の税金によってまかなわれており、利用税とのダブル税で国民は苦しめられている(税金の二重取り)のだ。

 このように、もはや高速道路が有料であることに合理的な理由はなくなっている。むしろ有料化されていることで、日本中に様々な歪みが発生してしまっているのである。

 

 

フリーウェイ化で

国民の生活は

格段に豊かになる

 

 それでは、高速道路が無料になった場合、どのようなメリットがあるのだろうか。

 まず、恩恵を感じるのは、家族で帰省や旅行に行くときだろう。小さな子供を抱え、お土産などの荷物を持って電車に乗る(それもピーク時は座れない)ことを考えると非常に億劫になってしまう。また現在では車でも、通行料が東京~新潟間で6,950円(関越道)、東京~青森間で13,500円(東北道)もかかってしまうが、それが今後は、ガソリン代だけで済むようになるのだ。マイカーの需要が高まることは確実だろう。

 同じように、スキーやオートキャンプなどのレジャーが中心となって、観光業も盛んになってくるだろう。また通行料がなくなることで、流通コストが軽減され、運輸業も活発になり、物価も安くなって、消費が拡大することも確実だ。

 そして何より、アメリカでも起きたように、混雑した都市部を離れて、郊外に一戸建ての家を買い、車で通勤するスタイルが現われてくるだろう。現在すでに、都心から80km~100km圏も、住宅地として開発が行われ、新幹線通勤も珍しくなくなっていることを考えれば、高速道路で1時間程度の距離ならば、マイカーで通勤するスタイルも充分に成り立つだろう。しかもマイカーであれば、朝晩の電車のラッシュに巻き込まれることもなく、必ず座れて、しかも冷暖房は完備している。車内では好きな音楽やラジオを聴きながら、悠々と通勤することができるのだ。そして1台が通勤用に使われるとなると、他にも買い物用やレジャー用というように、車のニーズも多様化して、自動車市場が発展する。

 また郊外の住宅では広い空間が確保できるので、子供部屋も、ゆっくりとしたスペースを充分に用意できる。自然に囲まれ健康な生活ができ、住宅事情で子供が持てなかった家庭にとってもまたとない福音になり、少子化問題の大きな解決策となるだろう。

 さらに、現在すでに高速道路は日本の動脈になっていることから、企業としても、製品の輸送の関係上、工場をインターチェンジ(IC)付近に立地させることが多い。ICがかつての鉄道における駅のように、地域活性化の核となり始めているのだ。さらにサービスエリア(SA)やパーキングエリア・PA・のレストランなどのメニューや各種サービスが向上すれば、遠く離れたSA、PAまで食事やショッピングに出かけることがあってもおかしくない。高速道路自体が一つの「商品」として魅力的な存在になり、ICやSA、PAが「村おこし」「町おこし」の強力な武器に様変わりすることも充分に考えられるのだ。

 こうして、住宅投資や地域開発が活発になって、建設・不動産部門が活性化すれば、経済全体に重くのしかかっている不良債権の問題にも解決のメドがひらけてくる。

 このように、高速道路を無料化するだけで、一気に国民のマインドは明るくなる。そして活発な消費・投資が呼び込まれ、右に掲げただけでも次々と経済的に好ましい連鎖反応が起きるのだ。しかも、日本はこれ以上輸出主導型の経済は続けられない。しかしこのフリーウェイ化による経済活性化は全て内需拡大型の成長であり、世界経済全体の健全な発展にもつながるのだ。

 

 

「交通革命」の

経済効果は20年間で 

最低380兆円

 

 現在の高速道路料金収入は年間で約3兆円。しかしこの3兆円減税による「交通革命」の経済効果は20年間で、自動車・住宅・観光関連産業などだけでGDP増は累計約380兆円、税の増収は75~115兆円にものぼり、他の産業への波及効果なども合わせれば、さらに額は大きくなる(本誌編集部試算・詳細はコラムを参照)。

 フリーウェイ化すると、車が増えて、さらに渋滞が激しくなってしまうという反論もあるかもしれない。しかし、先も述べたように渋滞の大きな原因は料金所そのものの存在にあり、また今後ICの数を増やし、出口を増やすことによってもかなりの部分解決が可能である。そもそも根本的な問題として、渋滞を本格的に解消するためには、高速道路政策自体を国家の重要プロジェクトとして位置づけ、高速道路の建設を急ぎ、道路の供給を増やすことが一番だ。そのためにも、通行料金の大半が公団の借金の支払いに回り、ほとんど建設費に回っていない現在の有料道路制度よりも、諸外国と同様の方法で、国家自ら高速道路を迅速に建設したほうが望ましいと言えるだろう。

 戦前・戦後にかけて活躍し、高度経済成長の予測を見事に的中させた天才エコノミスト、高橋亀吉氏は、戦後日本の高度成長の根本の要因は、「海外の資源が戦後非常に安く手に入ることになった」ことにあると指摘し、経済の基盤・構造そのものが変化した場合には、過去の理論にとらわれず新しい立場で診断することの大切さを説いた。同様に、この・交通革命・は、経済の基盤の変化を意味し、後の世のエコノミストに「21世紀の日本の力強い成長の要因は、交通のコストが非常に安くなったことにあった」と言われるようになることだろう。今こそこのフリーウェイ化によって国民の心を明るくし、日本経済に影を落としている暗雲を力強く吹き払うべき時に来ているのではないだろうか。■L


 

1998年8月号記事

高速道路をフリーウェイ(無料)に!

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