民間団体の「南京の真実国民運動」(上智大学名誉教授の渡部昇一氏)、「慰安婦の真実国民運動」(外交評論家の加瀬英明氏)が13日、「ユネスコ『南京』登録に反撃する国際シンポジウム」と題する講演会を東京都内で開催。中国がユネスコ記憶遺産に登録した「南京大虐殺文書」に対して抗議の声を上げた。会場に集まった約300人の聴衆が熱心に耳を傾けた。

開会に当たり、加瀬氏は、日本の国際感覚の欠如を批判。「南京事件を登録した国連は、闘争の場です。全世界のあらゆる国が、国連をボクシングのリングのように、喧嘩をする場だとみなしている。だが、日本だけは、みんなが睦みあい、仲良くする場であると錯覚している。国連はとんでもない場所で、ユネスコも国連の一部なのです」と指摘した。

「南京大虐殺は文革と似ている」

その後、前衆議院議員の山田宏氏や、民主党議員の松原仁氏、「美し国(うましくに)」代表の菅家一比古(かんけ・いちひこ)氏などが次々に登壇。それぞれ、「南京大虐殺はなかった」などと訴えた。以下は、主な登壇者の発言。

「朝日新聞が連載した『中国の旅』により、日本に南京大虐殺が定着した。実は、この中国の旅は、中国の文化大革命で起きた残虐な行為とすごく似ている。本多勝一記者は、取材した中国人より、当時、日常的に起きた虐殺などを聞かされたためだ。しかし、外務省は、後に大虐殺を"事実"として受け入れてしまい、現在、『虐殺の人数は分からないが、虐殺はあった』という立場をとっている。これを正さないといけない」(近現代史研究家の阿羅健一氏)

「私は、26歳まで中国にいたが、大虐殺なんて聞いたことも学んだこともない。私が通った北京大学のクラスメイトで、南京出身の友達も知らなかった。彼の家族は、先祖代々、南京の中心部で商売をしていたのに、親族も含めて誰も殺されていなかった。もし、南京市内で30万人も殺されたのなら、家族の一人ぐらいは殺されているはずだ」(評論家の石平氏)

「東京大虐殺」をやりたい中国人

このほか石氏は、「中国では、虐殺した日本を懲らしめるため、『東京大虐殺』をしたいと語る人までいる」と指摘。南京大虐殺を否定しなければ、中国に対して「対日核攻撃」を行う正当性を与えかねないと警鐘を鳴らした。

確かに、歴史戦は、日本の国防の危機につながる。講演会の第2部では、中国に侵略されたチベットや、南モンゴルについて批判の声が上がり、中国の残虐な行為を世界記憶遺産に登録しようという呼びかけも行われた。

国際社会は、南京大虐殺という中国の嘘に惑わされてはならない。むしろ、中国が現在進行形で続ける侵略や、国内の人権弾圧などに目を向け、世界に正義を取り戻す必要がある。(山本慧)

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