タイムマシンに改造された乗用車「デロリアン」(画像は Mooshuu / flickr )

2015年10月21日午後4時29分、ある出来事が起きた。SF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー パート2」(1989年公開)の主人公・マーティが、30年前の過去から、タイムマシンに乗ってやって来たのだ。全米で「フューチャー現象」と呼ばれる大ブームを巻き起こした映画の中の「未来」が現実となった今、それぞれの「2015年」を比較してみると、すでにこの世に実現しているものも多く、驚く。

「メガネ型端末」「空飛ぶ自動車」はすでに実現

まずは、メガネ型端末だ。映画の中でマーティは、端末を通して、手を使うことなく、モノを動かしたり、電話の着信あるいは通知を受けていた。米インターネット検索大手グーグルが2013年に開発した、音声でインターネットを操作する「グーグルグラス」と技術的に重なる部分がある。

タイムマシンとして改造された「空飛ぶ自動車」は、スロバキアのエアロモービル社がすでに試作機を完成。試験飛行にも成功しており、2017年に市場に登場する予定だ。

街中に現れ、マーフィを襲おうとする立体映像のジョーズは、「ニンテンドー3DS」などでおなじみの、空中に3次元の立体画像を投影する「空中撮影ディスプレイ」と呼ばれる技術の一種だ。筑波大学の落合陽一助教授らの研究チームは、触れた感覚を持てる空中撮影ディスプレイ「Fairy Lights in Femtoseconds」を開発。実用化に向け、より大きな映像を映し出す方法を研究している。

また、マーティが移動する際に使う、宙に浮くスケートボード「ホバーボード」は、米ヘンド・ホバー社が開発中。「自動靴ひも調整スニーカー」は米ナイキ社が21日に発表し、最初の一組がマーティを演じたマイケル・J・フォックス氏に贈られ、映画の世界に何とか追いついた形だ。

その他、指紋認証や薄型テレビ、テレビ電話、ビデオチャットなどは、今や日常にありふれている。SFで描かれたときには、「想像」の産物に過ぎなかったかもしれないが、時間が経つにつれ、「創造」されてきたことが分かる。

では、30年後の2045年、つまり今世紀半ばには、ライフスタイルやテクノロジーはどう姿を変えているだろうか。