ペンシルベニア州大学の天文学者がこのほど、奇妙な星を発見したと発表した。

2009年3月に打ち上げられたケプラー宇宙望遠鏡は、地球のような惑星を探すために15万個もの星を観測している。今回発見されたのは、「KIC8462852」という名の恒星。他のどんな星にも見られない、珍しい性質を持っているという。

星の光が妨げられる

ケプラー宇宙望遠鏡は、はるか遠くの星から、地球に到達する光を観測する。その「光り方」から、星の周りに惑星があるかどうかを見極める。

例えば、遠い場所から、太陽を観測していたとする。その周りを、地球が回っている。観測場所から見て、太陽の「目の前」に地球が横切ったとき、太陽の光は一瞬さえぎられる。地球は一定の周期で自転しているので、観測場所から見ると、一定周期で太陽の光が若干弱まる。こうして、その恒星の周りに、惑星が存在することが分かる。

今回発見された「KIC8462852」も、地球から見て時々、光の強さが変動している。星の周りに「何か」が存在する証拠だ。

しかし問題は、光が弱まる周期が一定ではないということ。つまり恒星の周囲で動いているのが、惑星ではないということだ。

謎の物体は何?

では、この謎の物体は一体何なのだろうか。

研究者の間では、「大量の隕石が星の前を横切っている」「高度な宇宙文明がつくった巨大人工物がある」などという仮説が飛び交っている。

もっとも、謎の物体は惑星ほどの大きさであるため、もし人工物であるとすれば巨大だ。

可能性としては低いと言われているが、これが宇宙文明の痕跡だとしたら、どのようなモノなのだろうか。

星を発見したジャイソン・ライト氏はブログで、星の周りに設置された「リング状の居住施設」「巨大な望遠鏡」「ダイソン球」などの可能性を挙げている。

「ダイソン球」とは、星の周りに大量のソーラーパネルを設置するなどして、星が発するエネルギーを吸い取るためのもの。高度に発達した文明では、大量のエネルギーを必要とするため、「ダイソン球」のようなものが必要になるのではないかと考えられている。

ライト氏は、「これが宇宙文明である可能性は低いが、可能性としては排除しきれない」としている。

今後は、電波望遠鏡を「KIC8462852」に向けて、「人工的な信号が発見できないか」などといった研究が続く予定だ。

宇宙には多くの謎が残されている。これからも、「KIC8462852」の正体を追い続けていきたい。(中)

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