米航空宇宙局(NASA)は、このほど火星に人類を滞在させるための詳細計画を発表した。ウォール・ストリート・ジャーナル電子版が報じた。

報告書には、地球から遠く離れた宇宙空間で宇宙飛行士を保護しながら機器の試験を行うための深宇宙プラットフォームに関するものや、食料を供給し乗組員の生命を維持するための、再利用可能な供給品についての構想などが含まれる。アポロ計画とは異なり、ミッションは1000日以上と長期にわたる可能性があるという。

近年、NASAのみならず、地球外の惑星への移住計画の議論が盛んだ。

テスラ・モーターズ社のCEOであるイーロン・マスク氏は、火星移住計画について、「月の次は火星であることが明らかなのに、十分に取り組んでいない」と発言。火星に80000人の植民都市をつくる構想を明らかにしている。自身も、2002年にスペースX社を設立し、ロケットや宇宙船の開発などを主導している。

オランダの民間非営利団体・マーズワンは、2025年までに火星に永住地をつくることを目指している。今年2月には20万人ほどいた候補者が100人に絞られた。最終的には24人に絞られ、2025年には最初の4人を火星に送り、その後は2年後ごとに4人ずつ増やしていく。

火星への移住を目指す理由としては、「資源を獲得する」「地球外生命体を探す」など、さまざま考えられる。ただ、大きな目的としては、「人類の生存を保証すること」が挙げられる。地球人口が七十億人を超え、百億人に向かっているなか食糧危機の危険性が高まっており、エネルギーの奪い合いによる戦争の危機なども高まっている。こうした中で、人類が地球から飛び出し、他の惑星を開拓し始めるのは時間の問題かもしれない。

今後の宇宙技術の発展により、人類が居住可能な惑星はさらに見つかることだろう。宇宙は人類にとっての次のフロンティアであり、希望である。宇宙時代の幕はもうすでに上がっているのだ。(冨)

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