今年7月、新幹線内で油をかぶり、焼身自殺を遂げるというショッキングな事件が起きたことは、記憶に新しい。容疑者は70代男性で、50代女性も巻き添えになった。自殺の動機は、年金が少ないことによる生活苦だと言われている。

このような悲劇を起こさないためにも、自殺を防止することが大切だ。

世界保健機関(WHO)は、9月10日を世界自殺防止デーと定めている。日本の内閣府も、9月10日~16日を自殺予防週間と設定し、自殺対策のための啓蒙活動を行っている。

内閣府の調査によると、昨年の自殺者の総数は25427人だった。男性が17386人で、全体の68.4%を占めた。自殺者の年代は60代が最も多く全体の17%を占め、次いで40代(16.7%)、50代(16.4%)だった。

自殺者の職業は、無職が全体の59.8%で最も多く、被雇用者が28.2%、自営業が7.2%、学生が3.4%だった。自殺の動機は健康問題が最も多く、全体の50.8%を占め、経済問題は16.3%だった。

今、自殺したいほど悩んでいる人は、どうすればよいのだろうか。

自殺しても苦しみは消えない

まず、「自殺しても楽にならない」ということを知ることだ。「自殺をすれば、苦しみや悲しみが消え、楽になるだろう」と思って自殺する人が多い。だが実際は、人間の本質は魂であり、死んでも魂は消えない。自殺者の魂が天国に行くことは極めてまれで、地獄に行くか、地縛霊となって自分が死んだ場所に漂っていることが多い。苦しみは消えるどころか大きくなるのだ。

心のコントロールで悩みは解決できる

さらに、良質な宗教書などで「心のコントロール法」を学び、実践することが大切だ。病気や人間関係などの心の悩みは、幸福の科学の教えで解決できるものがかなり多い。

例えば、健康問題で悩んでいる人は、自分を責める思いがないかどうか考えてみることだ。責任感の強いと、何か失敗すると「自分は駄目だ」という自己処罰の思いが強く出て、それがガンなどの病気となって現れることがある。すなわち、病気の原因を、自らの心の問題として解消する必要がある。

また、病気になっても、病気と協調して生きていこうとしたり、「多くの人の幸福のために、まだまだ働く必要がある」と思い続けられる人は、長生きできる傾向がある。肉体と心は密接に関係していて、自らの心が変わると、病気の進行速度さえ変わっていくのだ。

よりよく生きることを目指す

大川隆法・幸福の科学総裁は、自殺したいほど悩んでいる人に向けて、以下のようなメッセージを送っている。

自分を非常に責め、毎日、夜も眠れずに苦しんでいる人がいるならば、『完璧な自分のみを求めてはいけない』と言いたいのです。八十パーセント主義でよいから、とにかく生き抜くことです。 (中略)

みなさんは仏神に向けて霊的に進化することを目指してはいますが、仏神ではありません。この世に生きている以上、毎日毎日、失敗を重ね、苦しみながら生きているのです。したがって、よりよく生きることを目指すべきです。 」(『大悟の法』所収)

人生には、辛いことや悲しいことはいくつも起きる。だが、この世は魂を鍛えるための学校のような場所で、悲しみや苦しみは、心を磨くためにある。そう捉えると、人生の見方が変わって見えるかもしれない。どうか、自殺しようと思った人も、一度思いとどまって考えてみてもらいたい。(泉)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『大悟の法』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=142

幸福の科学出版 『生命の法(いのちのほう)』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=127

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