韓国系・中国系の市民が公共の場10カ所に「慰安婦像」の設置を求めていた問題で、オーストラリア・シドニー郊外のストラスフィールド市は11日、特別議会を開き、慰安婦像を設置しないことを決めた。12日付産経新聞が報じた。

この問題は、さかのぼること昨年2月、韓国系・中国系の市民団体が「反日本戦争犯罪連盟」を結成し、慰安婦像の設置を求めたことに始まる。それ以降、同市の議会では、この問題を継続的に審議してきた。こうした動きに対抗すべく、現地では、「オーストラリア・ジャパン・コミュニティー・ネットワーク」(AJCN、山岡鉄秀代表)などが、多くの日本人や日系オーストラリア人、日本の保守派の言論人や学者の協力を得て、設置反対の運動を熱心に行ってきた。

11日、議会の採決に先立つ公聴会では、くじで選ばれた、設置賛成派、反対派それぞれ4人が、意見表明する機会が設けられた。反対派としてくじに当たった4人のうち3人はオーストラリア人男性、1人がシドニー在住の日本人女性だった。 日本人の伴侶を持つオーストラリア人男性の一人として意見表明し た、 幸福の科学オーストラリア正心館館長の ブライアン・ライクロフト氏 は、公聴会で次のように意見表明した。

「慰安婦を性奴隷だという主張は、日本において、昨年8月、朝日新聞が『強制連行は誤報だった』と謝罪しています。アメリカのIWGによる調査でも、慰安婦の強制性は証明できませんでした。ナチスの戦争犯罪と比肩されることもありますが、杉原千畝のみならず、東條英機も国として、ユダヤ人を救うべきだという命令を出しています。

そして何よりも、東京裁判のパール判事が述べているように、日本は欧米の植民地支配の解放と人種平等の実現のために戦ったのです。日本軍がナチスと同じようにみなされる理由はどこにもありません」

さらに、ライクロフト館長は、このように語った。

「私はアフリカ出身です。人種差別を乗り越えるために戦ったネルソン・マンデラ氏を尊敬しています。私たちは魂において平等なのです。ですから、違いを嘆くのではなく、私たちがともに平等であることを感謝すべきだと思います。愛が憎しみを乗り越え、そしてこの愛がオーストラリアの未来社会の基本に据えられることを信じて疑いません」

昨年4月の公聴会で設置反対のスピーチを行った、現地在住の日系人の大学生、岩崎光生さんは、国連憲章でも人種差別を禁止していることや、南アフリカでのアパルトヘイトに反対したネルソン・マンデラ大統領の例を引き、「慰安婦像の設置は、日本人への人種差別につながる」と主張。また、「慰安婦像は、さらなる憎悪を引き起こすだけです。もし憎悪の種を植えたら、何が育つでしょう? 憎悪を持つ人は幸福になれませんし、憎悪された人も幸福になれません」と訴えていた。

慰安婦像の設置はアメリカでも問題になっているが、韓国系や中国系の人々が母国政府の支援を受けながら、大々的に活動を展開している中で、現地では、民間の日本人や日系人が手弁当で応戦している。

日本政府は、こうした人々の戦いを静観していてはならない。安倍首相も正しい歴史認識に基づいた戦後70年談話を発表しなければならない。日本国内だけでなく、海外で肩身の狭い思いをしている日本人、日系人の誇りを取り戻し、そしてまた、真の世界平和の構築を望む世界中の人々の思いにも応える義務がある。(華/泉)

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