《本記事のポイント》
- 日本に根強い「平和主義」 過去の失敗の反省を生かせるか
- 戦争を否定した国連憲章は隠れた「正戦論」
- 戦争のない時代を創るためにこそ必要な戦争への価値判断
河田 成治
(かわだ・せいじ)1967年、岐阜県生まれ。防衛大学校を卒業後、航空自衛隊にパイロットとして従事。現在は、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)の未来創造学部で、安全保障や国際政治学を教えている。
日本人独特の戦争観として、武力行使そのものを丸ごと否定する「平和主義」が根強くあります。
大川隆法総裁は、著書の『短詩型・格はいく集(3)「神は詩う」』の中で、「(20)元首相 暗殺狙わる 『戦争』は難しい」と詠まれました。その解説に、「『国防』と『戦争屋』の違いは難しいか。」と添えられましたが、日本においては国防と侵略戦争の区別さえつかない場合が多いのかもしれません。
日本に根強い「平和主義」 過去の失敗の反省を生かせるか
現に日本の仏教界においては、ほとんどの場合は戦争反対の立場に回ることが多いのですが、仏教の歴史を眺めれば、仏教思想が平和を求めて争いを好まなかったために、インドに侵入したイスラム教徒に為す術もなく駆逐されてしまいました。
この事件は私たちに、戦争を頭から否定すればそれ以上考えなくてよいというものではない、むしろ「戦争をどう考えるべきか」について、宗教において教えが示されることが重要だということを考えさせられる契機となりました。
戦争の是非を価値判断する際に最初に挙げられるのは、国防の重要性とそのための自衛軍の存在を肯定することでしょう。
戦争を否定した国連憲章は隠れた「正戦論」
これに加えて大川隆法総裁は、著書『ウクライナ問題を語る世界の7人のリーダー』において、「戦争自体が悪であるのではない。神と悪魔の区別がつかず、正義を闇に葬る戦争を『悪』というのである」と明言され、防衛を超えた中にも戦争に善悪の価値判断をすべきだと示唆されました。
HSU未来創造学部では、仏法真理と神の正義を柱としつつ、今回の世界情勢などの生きた専門知識を授業で学び、「国際政治のあるべき姿」への視点を養っています。詳しくはこちらをご覧ください(未来創造学部ホームページ)。