《ニュース》

米航空宇宙局(NASA)はこのほど、UFO調査を担う役職を正式に設置し、組織的な探査・分析を始めることを発表しました。

《詳細》

米国防総省は昨年7月から「全領域異常解決局(AARO)」を設置し、UFOを含む未確認異常現象(UAP)の調査を本格化させてきました。

一方、NASAも昨年に外部の専門家らによる独立調査委員会を設置。既存の目撃情報や画像をベースにしながら、「今後、本格的にUAPの調査を行っていく上での有効な方法や課題」について、洗い出しを行ってきました。

同委員会が、議論の経過を公開した会議については本欄でも報じましたが(関連記事)、その最終報告書が9月14日、NASAによって公表されました。

同報告書は、UAP調査の最大の課題として、「高品質な分析用データ」がより必要であることを強調しています。

これまでのUAP情報は、別の目的で記録していた映像やセンサーに"たまたま映った物体"などであり、科学的な分析が難しいと指摘。本格的なUAP分析にターゲットを絞った、データ収集の在り方を検討しています。

例えば報告書では、「NASAが持つ地球観測衛星は、UAPのような小さな物体を直接捉えるほどの精度はないが、他の手段で捕捉されたUAPについて、その周辺環境を分析するのに有用」「一方、米国の商業用衛星は、地球全体をカバーしていないものの、高い解像度でUAPを捕捉できる」「NASAが連邦航空局(FAA)と共同して運用している航空安全報告システムを、UAP情報収集のためにも活用できる」といった、具体的な提言がなされています。

また、「世界中の市民から、UAPの撮影データ等を収集するスマホアプリの開発」にも言及されています。

こうした情報の収集・活用を、一元的に指揮できる機能が必要との勧告に基づき、NASAは同14日、自組織で正式にUAP探査を行うべく、新たな役職を設置すると発表しました。

NASAのビル・ネルソン長官は同日の記者会見で、「UAPの話題をセンセーショナルなものから、科学的なものに変える」「NASAがUAP調査のために具体的な行動を起こしたのはこれが初めて」などとコメント。

UAPが地球外生命体に関係しているかどうかについては「根拠がない」としつつも、個人的な見解として「宇宙は理解が及ばないほど広大で、(どこかに)生命体は存在すると思う」と述べています。

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