《ニュース》

中国では引き続き、政府傘下の教会組織が「統制」に利用されています。

中国共産党が公認・指導するプロテスタント系キリスト教組織「三自愛国教会」はこのほど、地方および青年会の会議を開き、中国全土にある政府管理下の教会に対して、3月に行われた「両会」(*)の方針を説教するよう指示したとのことです。

(*)中国の国政助言機関・全国政治協商会議(政協)と、中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)を、合わせて「両会」と呼ぶ。ここで、全国レベルの重要な政治的決定が行なわれる(実態は、中国共産党の方針の追認)。今年の全人代では習近平・国家主席が再選され、異例の3期目が始動した。

《詳細》

中国のプロテスタント系教会には、政府公認の「三自愛国教会」と、そこに加わらない「家の教会」があります。

宗教の自由への迫害を報じるウェブサイト「Bitter Winter」によれば3月30日、「三自愛国教会」は地方および青年会の会議を開き、「両会」で決定された内容を実行するよう、傘下の教会組織に指令。各教会は、習近平氏が新型コロナウィルスに「勝利」したこと、西欧の民主主義体制と比較した「中国共産党と社会主義体制の優位性」、また、「西欧植民地神学による影響の排除」などを、信者に説教するよう指示されたとのことです。

こうした具体的な指令が下されると共に、「常に党と政府を中心に信者を団結させ、キリスト教の中国化を深く、細かく推進し続けること」が、不可欠な前提条件だと強調されたといいます。

三自愛国運動・全国委員会委員長の徐暁紅(シュウ・シャオホン)氏はこれまでも、宗教内の西側文化を除去すると宣言するなど、キリスト教への弾圧姿勢を示してきました

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