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和歌山県議会の本議会はこのほど、カジノを含む統合型リゾート(IR)の整備計画を国に申請する議案を反対多数で否決しました。

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和歌山県は、和歌山市の人工島「和歌山マリーナシティ」へのIR誘致を進めていました。

政府は2022年代後半にIR施設の開業を見込んでおり、最大3カ所整備する方針を示しています。国へのIR整備計画の申請期限が今月28日に迫る中、和歌山県議会は臨時議会を開き、県が示した計画の審議を行っていました。

19日の特別委員会での採決では、「中心事業者であるカナダのクレアベスト・グループの資金調達計画が不透明」などという指摘が相次ぎ、IRの議案が否決されました。20日に開かれた本議会の無記名での採決でも、賛成18、反対22と議案が否決されたため、和歌山県は国に計画を申請できなくなり、計画は事実上頓挫しました。

和歌山県の仁坂知事は閉会後、記者団への取材に、「痛恨の極みだ。和歌山の衰退を止めるために、IRを最大の起爆剤にしようと思っていたが、次の成長因子を失った状態になった」など述べました。

和歌山県以外では、大阪府と大阪市、長崎県がIR誘致を目指して整備計画づくりを進めており、大阪府と大阪市の各議会は3月末までに計画議案を可決、長崎県議会や佐世保市議会もこのほど同議案を賛成多数で可決しました。横浜市は、昨年8月の選挙で当選した山中市長がIR誘致の撤回を表明しています。

和歌山県議会がIR整備計画にノーを突き付けたのは、正しい判断だと言えます。

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