米ハーバード大学の研究者がこのほど、イタリア・ローマで開かれた学会で、キリストの妻についての発言を記載した古いパピルス片が見つかったと発表した。ハーバード大学の神学校のカレン・キング教授によるもので、パピルスの紙片は縦3.8センチ、横7.6センチほどの大きさで、エジプトのキリスト教徒が使うコプト語の文字が書かれているという。この中に、「キリストは彼らに向かい、『私の妻が…』と発言した」と記された一節があったという。

2011年に個人の収集家が所蔵していた紙片がハーバード大学に持ち込まれ、カレン・キング教授が調べていた。ニューヨーク大学の専門家に鑑定を依頼した結果、本物のパピルスであることが確認されたとCNNが伝えている。

ただカレン・キング教授は、この紙片はイエスが結婚していたとする説を裏付ける証拠にはならないと述べていている一方で、イエスが未婚だったことを裏付ける証拠もなく、「イエスが結婚していたかどうかは分からないという立場は以前と変わっていない」と記者会見で述べた。

1990年に日本で公開された映画「最後の誘惑」は、イエスが磔になった時に悪魔が現われ、惑わしを受けたイエスはその後、結婚をして子供たちと平和に暮らしたという内容だった。イエスが悪魔に屈することはないにしても、結婚したというストーリーは興味深い。この映画以外にも、ダン・ブラウン著『ダ・ヴィンチ・コード』は、イエスの妻はマグダラのマリアだったと描いている。

真実はどうなのだろうか。大川隆法・幸福の科学総裁は、『「黄金の法」講義(1)』(非売品)でこう述べている。

「マリアの福音書などを読んでみると、結局、イエスの実際上の伴侶はマグダラのマリアだったということが分かります。この人がイエスの奥さんだったのです。ただ、この人は元は娼婦だった人なので、正統派のキリスト教から見たら、ちょっと困るのです。(略)そのため、彼らは、マグダラのマリアのほうは除外して、聖母マリア、イエスの母親のマリアのほうを一生懸命に立てたのです」

イエス・キリストが既婚者であったとしても、正常な夫婦の営みから産まれたとしても、その聖なる光は減ずることはないのだ。救世主の愛の光は燦然と、永遠に輝き続けていることを、この小さなパピルスは語っているのではないだろうか。(静)

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2006年7月号記事 『ダ・ヴィンチ・コード』論争を追う

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2005年1月号記事 衝撃の真実に揺れる聖書 イエス・キリスト5つの謎

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