12月19日に就任したばかりの大阪市の橋下徹市長がわずか1週間ほどで、公約に掲げていた「橋下改革」に次々と着手している。いくつか挙げてみると、
- 市内に59園ある市立幼稚園の民営化手続きに入る。民間譲渡や廃止も視野。公立保育所を集約し、残りを民間委託あるいは廃止。
- 民間と比べて1~3割高いとされる市営地下鉄・バスの運転士らの給与水準を2012年4月の時点で民間水準に下げる。
- 市職員の総人件費の2割程度の削減を2012年度から行う。
- 生活保護の受給認定を厳格化。
- 救急車利用の有料化について検討を指示。
- 市交通局が地下鉄初乗り運賃の引き下げ案(20~50円)を提示。
- 市水道局が府広域水道企業団との統合に向けた工程評を提示。
最高意思決定機関として市戦略会議を設け、ここで市幹部らに対して「いつまでにできますか」などと矢継ぎ早に指示を出しているという。
こうして見ると、地方の首長選はマスコミ報道の影響を受けやすいという問題もあるが、民意を背景にすると、大きな改革をスピーディーに進めやすいことが分かる。
日本は議院内閣制を採っているわけだが、立法府である国会の議席構成に民意は反映されても、誰を首相に選ぶかについては民意が反映されているわけではない。民主党の菅、野田両政権については特にそうだ。
強いリーダシップの政治家が地方の首長に出てきていることからすれば、日本も大統領制を真剣に検討すべき時期にきている。(織)
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