《ニュース》
米最高裁は、11月の中間選挙を前に、トランプ大統領が3月に発出した郵便投票を制限する大統領令の一部施行を認めました。
《詳細》
トランプ氏は3月、「連邦選挙における市民権確認と公平性の確保」に関する大統領令に署名しました。憲法の規定により、アメリカで選挙を執り行う主体は連邦政府でなく、州ですが、大統領令は、郵便投票に関して連邦機関に対し、以下のことを命じていました。
国土安全保障省(DHS)長官に対し、社会保障局(SSA)と連携して、各州で投票資格のある米国市民のリストを作成し、各州に送付するよう指示
郵政長官に対し、米国郵便公社(USPS)が送付する投票用紙の郵送用・返信用封筒には、追跡可能な固有のバーコードをつけるよう指示
米国郵便公社(USPS)に対し、各州が提出した投票用紙を郵送する予定の有権者リストに登録された人にのみ投票用紙を送付することを指示(※州が提出した有権者リストは、DHSが州に送付したリストと照合できる)
司法長官に対し、連邦選挙において投票資格がないと見なされた人に連邦投票用紙を発行した州の選挙管理当局者および個人や団体に対し、連邦法に基づき捜査と起訴を行うよう指示
大統領令には、「複数の連邦法は、外国人が連邦選挙で有権者登録または投票することを禁じている。しかし、各州は投票者の市民権を適切に審査することを怠ってきた」と記されています。
「州の選挙管理権限への違憲な介入だ」として、この大統領令の差し止めを求めて、4月にカリフォルニア州など民主党主導の23州と首都ワシントンが提訴しました。この訴訟を受けて、ボストンの連邦地裁が6月、「憲法は大統領に選挙に関するいかなる特定の権限も与えていない」として違憲だと判断。23州とワシントンにおいて大統領令の差し止めを命じていました。
政権側が7月に控訴したことを受け、最高裁は、「この大統領令は、国土安全保障省長官に対し、州の市民権リストを作成・配布するための適切な措置を講じるよう指示している。大統領から部下への内部指示であり、州に何の義務も課していないため、州は『具体的な損害を被っていない』。そして具体的な損害がなければ、訴訟提起の資格はない」として、23州とワシントンで大統領令発令を阻止していた差し止め命令を解除しました。ただし、大統領令自体の合法性については判断しておらず、今後改めて訴訟が起こされる可能性があります。
そして、ボストンの連邦地裁は8月、複数の投票擁護団体が起こした別の訴訟で、別の差し止め命令を出していました(USPSが大統領令に基づく郵便投票の厳格化規制を実施することを差し止め)。その命令は50州すべてを対象としていました。最高裁はその差し止め命令については判断を示しておらず、依然として適用されたままです。
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