アメリカとイスラエルが2月28日にイラン攻撃を開始してから、1カ月が経った。

トランプ大統領は4月1日夜、米国民向けの演説を行った。演説では「今夜、イラン海軍は消滅し、空軍は壊滅状態にある。彼らの指導者の大半はすでに死んでいる」「米軍は圧倒的な勝利を収めた」と強調。

1979年のイラン革命以降の過去47年間にイランやその代理勢力が関与したテロ攻撃などを挙げ、イランの統治体制を「暴力的で残忍」と非難。最近、当局の弾圧により、抗議活動を行っていたイラン国民4万5000人が殺害されたことに触れ、そのような指導者たちが核兵器を手に入れることを許すわけにはいかないと訴えた。

トランプ氏は、大統領就任以前の2回を含み、実に合計74回、イランの核保有は許されてはならないと公式に発言し、一貫して同じ主張を繰り返してきた(3月2日付ホワイトハウス公式リリース)。イランの核兵器保有を容認しない方針は、日本や中東の湾岸諸国を含め、国際社会の共通認識である。

「米空母を沈められる」と挑発したハメネイ師

振り返ると、イラン攻撃直前の2月17日に、イランの最高指導者ハメネイ師はXに英語で、「米国人はイランに向けて軍艦を派遣したと喧伝している。たしかに軍艦は危険な軍事装備だ。だが、その軍艦よりも危険なのは、軍艦を海底に沈めることのできる兵器だ」という挑発的な投稿をしていた。

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2月17日のハメネイ師のXへの投稿。

この背景には、イランが中国から米空母を沈めることが可能な超音速対艦巡航ミサイル「CM-302」を購入するための交渉が最終段階に入っていたことがあった(2月24日付ロイター通信)。

そしてイランは、60%濃縮ウランを400kg超も保有していたことが、2025年5月の国際原子力機関(IAEA)の査察で明らかにされた。IAEA基準では核兵器9発分に相当し、イランの既存技術では3週間で兵器化が可能とされる。イランは「平和利用」を主張していたが、原発の燃料に必要な濃度は3~5%であり、60%までウランを濃縮して核兵器を開発しなかった国は、過去に例がない。

イランは、1979年のイラン革命とアメリカ大使館人質事件で反米姿勢を先鋭化させた後、1985年ごろから秘密裏に核開発を本格化し始め(2002年に反政府組織によって発覚し、翌年、IAEA理事会は非難決議を採択)、それ以降も、何度もIAEAに未申告で核開発を進めた過去があり、国際的信用は非常に低い。