《ニュース》
原子力発電所に設置が義務付けられているテロ対策施設について、原子力規制委員会は、これまで原発本体の工事計画の認可から5年としていた規制を、「営業運転開始から5年」に変更することを決めました。事実上、設置期限の延長となります。
《詳細》
今回、設置期限が延長されたテロ対策施設は、航空機の衝突などによる攻撃があった際も、遠隔で原子炉を冷やせるようにする施設で、「特定重大事故等対処施設」と呼ばれます。これまで、原発本体の工事計画の認可から5年以内に設置することが義務付けられ、本体が完成してもテロ対策施設が完成しなければ、運転が許可されていませんでした。
ただ、これまでにテロ対策施設が完成した12基のうち、期限内に完成したのはわずか1基であり、運転開始後に施設完成の期限を過ぎたため、運転停止に追い込まれる原発が続出しました。
原子力規制員会の山中伸介委員長は、設置期限の延長について「規制が現場の実態と乖離し、達成不可能なものとなっている場合、それは規制として十分に機能していない」と説明し、「安全対策の質を落とさずに施設を完成させる現実的な道筋を示した」としています。
今回の期限延長で、いくつかの原発が運転停止を免れることになります。宮城県の東北電力女川原発2号機は、テロ対策施設の設置期限が今年12月でしたが、人手不足などにより工事が遅れ、完成予定の28年8月まで運転停止する見込みでした。今回の変更で新たな期限が29年12月となったことで、運転を継続できる見通しです。
ただし、今回の変更は「工事に向けるべき人材や資金などを営業運転の準備に回す可能性がある」といった理由で、既に設置期限を迎えている施設には適用されないことになっています。設置期限が過ぎている柏崎刈羽原発7号機や、茨城県の日本原電東海第二原発は、テロ対策施設が完成しなければ運転を開始できません。
柏崎刈羽原発を擁する柏崎市の桜井雅浩市長は朝日新聞の取材に「7号機も見直しの対象にしてほしかった」と答えています(2日付電子版)。
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