2023年5月号記事

このままでは日本は危ない

目を覚ませ! 日本外交

日本はウクライナ支援で西側諸国と歩調を合わせている。
だがその選択の先には、大きな落とし穴が待ち構えている。



contents

このままでは日本は危ない 目を覚ませ! 日本外交 - Part 1 日本は参戦したいのか? 世界大戦に発展しかねないウクライナ戦争


「ウクライナは、明日の東アジアかもしれない」

岸田首相はこの表現を合言葉のようにして、東欧のウクライナで起きることは日本でも起き得るという危機感を国民に訴え、世界に対しては、ウクライナを電撃訪問するなど5月のG7(先進7カ国)広島サミットでリーダーシップを発揮したい考えだ。

これを受け与党は、殺傷能力を持つ装備品をウクライナに移転する案を検討しており、戦後初めて「戦争が起きている国に武器を送る」という方針に転換させようとする動きまで出ている。

日本経済新聞が2月下旬に行った世論調査によれば、「生活や仕事に悪影響が生じても、日本はウクライナの支援を続けるべきだと思うか」との質問に対し、肯定的に回答した人は66%であり、支援強化に賛成な人が多い。一方で、76%が日本からの武器提供は「必要ない」と答え、ハードルは高いままだ。

ただ岸田首相は、4月の統一地方選を乗り切り、広島サミットで大きな外交成果を挙げるために、より踏み込んだ対応を取る可能性がある。

ゼレンスキー氏と親友になる重大なリスク

しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領と本当に親しくなれば、日本を危うくするというリスクについて岸田首相が理解しているようには見えない。

マスコミはほとんど報じないが、ウクライナ戦争への対応を間違えれば、核戦争や世界大戦、日本が侵攻される危機に直結しかねない。ゼレンスキー氏の口舌でムードをつくられ、"空気"で全部が引っ張られてしまってはいけないのである。

本特集は予見される危機に迫り、政府の判断のどこに問題があるかを明らかにする。

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次ページからのポイント

世界大戦に発展しかねないウクライナ戦争

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