31日、中国が2年ぶりとなる国防白書を発表した。

新型潜水艦の建設や艦隊の遠洋訓練の組織など、海洋作戦能力の強化姿勢を明確に示しており、戦略目標として「海洋権益の保護」を強調、南シナ海やインド洋などへの進出を強めていくと見られる。そのほか、宇宙やサイバー空間における安全利益の保護や新疆ウイグル自治区やチベット自治区での独立勢力の阻止も国防の任務とした。だが、一方で、建設計画中の空母や実践配備に向けて準備が進められているステルス戦闘機などについての具体的な言及はなく、相変わらずその実態は不透明だ。

また、原子力エネルギー技術の平和利用にも触れて原発建設の促進を示している。実際、福島原発事故によって諸外国で原子力開発の見直しが活発化するなかで、中国は「原子力エネルギー計画を変更することはない」として、水素爆発事故のような深刻な事故を防ぐ措置を盛り込んだ第3世代原発の導入と建設を進めていく。

東日本大震災の救助に暖かい協力の手が差し伸べられているが、一方で隣国では着々と軍備増強が進められていることも忘れてはならない。(吉)

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