パリで開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議は19日、共同声明を採択して閉幕した。世界経済の不均衡是正を促す「参考指針」として複数の経済指標を採用し、監視を進めることで合意したが、中国への譲歩が目立つものとなった。

当初は指標として経常収支、財政収支、為替水準と外貨準備高、貯蓄率の4つを採用する案が出ていた。しかし世界最大の外貨準備を保有し、為替介入で人民元を低く抑える中国が反発。新興国と独自に会合を開き、経常収支と為替水準・外貨準備高の採用に反対を表明し、議論を難航させた。

そのため最終的には、経常収支の指標として外貨準備でなく、中国の要望通りに貿易収支を採用。また為替水準は採用されたものの、中国人民銀行の周小川総裁は「元の上昇ペースは中国政府が決定する。他国の圧力には屈しない」として強硬姿勢を崩さなかった。

G20財務相・中央銀行総裁会議は今後、4月に参考指針の策定と監視対象国の選定を行い、10月に行動計画を協議するが、どこまで中国を牽制して協調に取り込めるかが一つの焦点となる。(由)

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