中国で麻薬密輸罪に問われ死刑判決を受けたフィリピン人3人の死刑執行を中国が延期した。フィリピンは劉暁波氏のノーベル平和賞授賞式を欠席するなど、対中関係に配慮していた。親中姿勢に対する配慮かと言われている。日本人の死刑執行の扱いとは雲泥の差である。

ハーバード大のニーアル・ファーガソン氏は、 政治家は、ビスマルク的な、時機に乗じて自分の望む方向に物事の方向を転じることができる能力が必要と述べていたが(ニューズ・ウィーク誌(2月21日付)、中国は親米国家であったフィリピンも、親中派にすることに成功しているようである。

ただ、親中派をつくるといっても、その手法は、言うことを聞かなければ殺すとかさまざまな圧力をかけるということであって、国際過激派組織アルカイダと同じである。

同組織の資金源は、西洋諸国からの誘拐とそれにともなう多額の身代金である。よって、テロ根絶の処方箋は、国際社会が団結して身代金を支払わないことだとされていたが(ニューヨーク・タイムズ紙(2月18日付)、テロ組織等の犯罪組織と同様、中国に対しても妥協は禁物だ。

今後も国際社会が団結して、中国の国内法は国際法ではないことを知らしめなくてはならない。(HC)

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