エジプト全土で100万人デモが広がった背景に、ムバラク政権の「富の独占」に対する庶民の不満があると、9日付けの産経新聞では述べている。

人口の4割が1日2ドル(約160円)以下の生活をしている一方で、中東の衛星テレビ局アルジャジーラによればムバラク氏一族の資産は400億ドル~700億ドル(約3兆2千億円~5兆6千億円)と指摘。こうした貧富の差が大きいうえ、最近ではエジプト料理に欠かせないトマトなどの物価が上昇して生活への不満が爆発した。

9日付け朝日新聞によると、中国で、旧正月(2月3日~5日)前に商務省が実施した調査で、ピーマンなど28種類の野菜の平均卸売価格が前年同時期より12.6%も上昇したことが分かった。

こうした物価上昇と不動産バブルを恐れて、中国人民銀行が昨年10月、12月に続き、8日、0.25%利上げを行った。だが、今回の利上げは、貧富の差が激しく、物価高騰で貧窮している庶民の憎悪が膨張している内情を、エジプトと重ね合わせたのかもしれない。(吉)

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