著名な国際ジャーナリストで、中東アラブ情勢にも強いロバート・カプラン氏がチュニジアの政変をきっかけに中東各国に広がる民主化要求デモについて分析記事をアメリカの外交専門誌「フォーリン・ポリシー」に書いている。

専門家の間では今回の中東のデモが、1979年のイランのイスラム革命のように反米イスラム主義者が政権を握るのか、あるいは、1989年に東欧で起きた民主化のドミノ倒しなのかが焦点。カプラン氏は後者の立場に立ち、「チュニジアとエジプトの蜂起をイラン革命ととらえるな」「東欧の民主化の結果が国によって違ったように、今回も同じようになる」と指摘している。

その他のポイントは、

・  エジプトの場合は、社会の中でムスリム同胞団が根を張っており、イラン革命のようにはならない。イラン革命とは違いのほうが大きい。

・  しかし民主化が進んでも、アメリカの国益につながるわけではない。親米的なヨルダンやサウジに波及する可能性もある。

・  オバマ政権のアラブ外交はより複雑になる。(独裁者への)電話一本では済まなくなる。より多くの政治勢力を相手にしなければならない。

チュニジアや中東への滞在経験が多く、この見方は信頼が置けると言っていい。(織)

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