フルブライト研究者

ジェイソン・モーガン

プロフィール

(Jason Morgan)米国ウィスコンシン大学で日本史研究の博士課程に在籍中。現在、法制史の研究のため、日本の法学者である末弘厳太郎と穂積重遠とともに、東京裁判も研究している。

「日本とアメリカの戦争は全く必要なかった」――。そう語るのは、新進気鋭のアメリカ人日本史研究者で、フルブライト研究者のジェイソン・モーガン氏。本誌8月号でインタビューを紹介しているが、紙幅の関係で掲載しきれなかった内容を3回に分けて紹介する。1回目の今回は、日本の戦争の意義について。

アメリカ海軍の軍人として日本と戦った祖父

――なぜ日本の歴史に興味を持ったのですか。

8歳か10歳くらいの頃、原爆投下について知ったのがきっかけです。また、私の祖父の影響もありました。祖父は、海軍に従軍していて、戦後は横須賀に勤務しました。戦争中は友人も殺されていたので、日本人のことはとても怖かったはずです。

ところが、日本人のことをとても尊敬できるようになったと言うのです。そして、日本との戦争は全く必要なかったはずだと考えるようになったと話していました。

私は、祖父の言う通りだと思います。ヒトラーは議論の余地のないぐらい悪魔的でしたから、ドイツとの戦いは必要でしたが、アメリカは、日本との戦いで何を達成しようとしたのか、わからないのです。